出版社内容情報
蓮實 重彦[ハスミ シゲヒコ]
著・文・その他
内容説明
畢生の大作『「ボヴァリー夫人」論』(二〇一四年)の執筆がすでに開始されていた一九七〇年代、著者の心奥深くに忽然と燻りだした一九世紀フランスの作家マクシム・デュ・カン。今では“フロベールの才能を欠いた友人”としてのみ知られるこの謎多き人物の足跡をたどる本書は、あなた自身ではないあなたの物語でもある。凡庸とは、才能とは何を意味するのか。現代批評の頂点。
目次
『凡庸な芸術家の肖像』への序章
『凡庸な芸術家の肖像』第1部(蕩児の成熟;蕩児は予言する;特権者の代弁;開かれた詩人の誠実;韻文の蒸気機関車 ほか)
『凡庸な芸術家の肖像』第2部(崩壊・転向・真実;夢幻劇の桟敷で;外面の痛み=内面の痛み;シチリア島の従軍記者;ふたたび成熟について ほか)
著者等紹介
蓮實重彦[ハスミシゲヒコ]
1936・4・29~。フランス文学者、映画批評家。東京都生まれ。東京大学仏文学科卒業。パリ大学にて博士号取得。東京大学教授を経て、東京大学第26代総長。1978年『反=日本語論』で読売文学賞、89年『凡庸な芸術家の肖像』で芸術選奨文部大臣賞を受賞、99年にはフランス芸術文化勲章コマンドールを受章する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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