講談社文芸文庫<br> 西海原子力発電所/輸送

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講談社文芸文庫
西海原子力発電所/輸送

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  • サイズ 文庫判/ページ数 378p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062902236
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

原子力発電所をかかえる閉鎖的な地域社会のなかで起きた一件の不審火。
原発の危険性と経済的依存との葛藤を劇的に描きつつ、
〈原爆文学〉と〈原発文学〉とを深く結びつけた記念碑的労作「西海原子力発電所」。
チェルノブイリ原発事故を受け、核廃棄物輸送事故による被爆と避難生活が
もたらした生活の破壊と人間の崩壊を予言した「輸送」。
3.11原発事故を経験した現在から、先駆的〈核〉文学はいかに読み解かれるか。

井上 光晴[イノウエ ミツハル]
著・文・その他

内容説明

原子力発電所をかかえる閉鎖的な地域社会のなかで起きた一件の不審火。原発の危険性と経済的依存との葛藤を劇的に描きつつ、“原爆文学”と“原発文学”とを深く結びつけた記念碑的労作「西海原子力発電所」。チェルノブイリ原発事故を受け、核廃棄物輸送事故による被曝と避難生活がもたらした生活の破壊と人間の崩壊を予言した「輸送」。3・11原発事故を経験した現在から、先駆的“核”文学はいかに読み解かれるか。

著者等紹介

井上光晴[イノウエミツハル]
1926・5・15~1992・5・30。小説家。福岡県生まれ。高等小学校中退後、電波兵器技術養成所に通い、入営直前に長崎・崎戸で敗戦を迎える。1946年、日本共産党に入党、地区常任となる。この頃から詩を発表。50年、日本共産党の「所感派」「国際派」の分裂により「所感派」から除名されるが拒否。同年7月、「書かれざる一章」を「新日本文学」に発表。53年、日本共産党を離脱。55年、上京し、本格的な作家活動に入る。70年より89年まで、季刊誌「辺境」(第一次~第三次)を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ピラックマ

5
登場人物が多過ぎる上に、振るだけ振って何の説明も無く全く回収されない等、小説としてはかなり読みにくい。ただそれを上回る原発を巡る混乱と焦燥、恐怖、諦念、立ち込める重苦しい空気感の描写が素晴らしい。錯綜して身動きできない様に胸苦しくなる。2014/05/22

ライム

4
原発を地元に持つ住民達が、どんな不安を抱えて生活して いるかが(軽快な九州弁の会話を楽しみながら)身につまされる。原発反対派による劇団があって、これと放火殺人事件がどう結びつくか?をハラハラして展開を追ったし、核のゴミによる環境や人体への見えない影響が、ジワジワ忍び寄って来てついに見えてきた時の恐怖感…科学の理論と実際の現象との、どうしようもない矛盾を人間はどう判断するのか?人間以外の生物への責任も負っている事も、野良猫たちの惨状から思い知らされる。2024/08/12

YY

3
これに収められている両作品では、結末としていわゆる正解を示すことはしない。それだけに、原発ないし放射線への恐怖、心理的な影響が強く表れる。偽被爆者の問題も扱っている。何より混乱ぶりがまさに先の原発事故後そのもので、作者の想像力の素晴らしさに打たれた。2014/09/08

修平

3
表題作「西海原子力発電所」反原発女性と原発で働いていた男性が2人で女性宅で焼死した事件の謎を追う物語に、全てをうやむやで終わらせる原発側、陰謀論を巡らせる反原発側、被爆者を騙る者が絡み合う話でした。何故か所々文章がト書き交じりの脚本調になっていました。 『輸送』は使用済み燃料の輸送車が事故を起こし、周辺を汚染し、周辺住民が心の破壊と体の異変両面を引き起こす様を描いた20数年前の作品でしたが3年前の原発事故に重なる部分もありました。但し動物や人が直ぐに死亡したり些か影響を過大に表現していると思われました。2014/04/26

産廃屋

1
被曝者としてものを語るとはいかなることなのか、そもそも証言の信頼とは何により担保されているのか、核の恐怖とはどこまで真実なのか。すべては「藪の中」であり、もやもやした不快さが拭いきれない。原発文学の先駆であることは確かだが、いささか過大評価に過ぎるようにも思える。もともと井上はテーマの先駆性で生きてきたようなところがあり、これらの作品も同じ体であるとはいえるが…2015/02/21

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