出版社内容情報
ベトナム戦争時に特派員として滞在した著者が、小説で描いたベトナムの明と暗をすべて網羅。戦争に生きることを深く見つめる作品集。ベトナム戦争時に特派員として滞在した著者が、小説で描いたベトナムの明と暗を網羅。
戦争に生きることを深く見つめる作品集。
※本書では、以下のものを底本としました。
「向う側」は『日野啓三短篇選集上巻』(1996年12月、読売新聞社)、「ヤモリの部屋」は『風の地平』(1976年4月、中央公論社)、「林でない林」は『どこでもないどこか』(1990年9月、福武書店)、「悪夢の彼方」は『日野啓三自選エッセイ集 魂の光景』(1998年12月、集英社)、「“向う側”ということ」は『都市という新しい自然』(1988年8月、読売新聞社)、それ以外の作品は、それぞれの末尾に示した初出誌に拠りました。
1
向う側
広場
炎
地下へ
デルタにて
対岸
ヤモリの部屋
サイゴンの老人
林でない林
2
悪夢の彼方――ベトナムの夜の底で
“向う側”ということ
日野 啓三[ヒノ ケイゾウ]
著・文・その他
内容説明
小説家・日野啓三が誕生した場所―ベトナムに関わる全短篇を集成。一九六四年、新聞社の常駐特派員として戦乱の地・南ベトナムに赴任、民衆や兵士の悲惨に直面し、溶解する現実感覚を“小説”のかたちで表現することを決意。六六年、初の小説「向う側」を発表、その後連続して、ベトナム戦争を舞台に、形而上的想念を、虚構的、実験的な作品へと昇華。単行本未収録作品六篇を含む、貴重な一書。
著者等紹介
日野啓三[ヒノケイゾウ]
1929・6・14~2002・10・14。小説家。東京生まれ。1952年、東大卒。小中学時代を植民地・朝鮮で過ごす。大学在学中から文芸評論を書き始め、新聞社入社後はソウル、ベトナム特派員を務める。66年、はじめての著書『ベトナム報道』、小説『向う側』を発表。主な作品に『此岸の家』(平林たい子文学賞)、『あの夕陽』(芥川賞)、『抱擁』(泉鏡花文学賞)、『砂丘が動くように』(谷崎潤一郎賞)、『夢の島』(芸術選奨文部大臣賞)、『断崖の年』(伊藤整文学賞)、『台風の眼』(野間文芸賞)、『光』(読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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