講談社文芸文庫
折口信夫対話集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062901970
  • NDC分類 910.4
  • Cコード C0195

出版社内容情報

折口信夫の対話集。文学は北原白秋、川端康成、小林秀雄等と、民俗学は柳田国男等と、仏教・神道は鈴木大拙等との対談・鼎談を編纂。折口が語り合った日本の叡智たち。川端、犀星、小林秀雄、柳田国男、鈴木大拙……。
全集未収録も所載。

折口信夫の対話集。文学は北原白秋、川端康成、小林秀雄等と。民俗学は柳田国男等と。仏教・神道は鈴木大拙等との対談・鼎談を編纂。

※本書は中央公論新社『折口信夫全集』別巻3(1999年9月刊)、「鶴岡」第15号(1943年9月刊)、「悠久」第4号(1948年10月刊)を底本としました。

1 文学をめぐって
 緑ケ丘夜話(×北原白秋)
 古典について(×室生犀星)
 一九四九年の春を語る(×西脇順三郎)
 細雪をめぐって(×川端康成、谷崎潤一郎)
 日本詩歌の諸問題(×神西清、日夏耿之介、三好達治)
 古典をめぐりて(×小林秀雄)
 燈下清談(×小林秀雄)
2 民俗学をめぐって
 日本人の神と霊魂の観念そのほか(×柳田国男、石田英一郎)
 民俗学から民族学へ(×柳田国男、石田英一郎)
3 神道学をめぐって(全集未収録座談会)
 思想維新──まつりに就いて(×『鶴岡』同人)
 神道と仏教(×鈴木大拙、横山秀雄、『悠久』同人)


折口 信夫[オリクチ シノブ]
著・文・その他

安藤 礼二[アンドウ レイジ]
編集

北原 白秋[キタハラ ハクシュウ]
著・文・その他

室生 犀星[ムロオ サイセイ]
著・文・その他

西脇 順三郎[ニシワキ ジュンザブロウ]
著・文・その他

三好 達治[ミヨシ タツジ]
著・文・その他

川端 康成[カワバタ ヤスナリ]
著・文・その他

小林 秀雄[コバヤシ ヒデオ]
著・文・その他

柳田 国男[ヤナギダ クニオ]
著・文・その他

谷崎 潤一郎[タニザキ ジュンイチロウ]
著・文・その他

神西 清[ジンザイ キヨシ]
著・文・その他

日夏 耿之介[ヒナツ コウノスケ]
著・文・その他

石田 英一郎[イシダ エイイチロウ]
著・文・その他

今泉 源吉[イマイズミ ゲンキチ]
著・文・その他

高佐 貫長[タカサ カンチョウ]
著・文・その他

座田 司氏[サイダ モリウジ]
著・文・その他

鈴木 大拙[スズキ ダイセツ]
著・文・その他

横山 秀雄[ヨコヤマ ヒデオ]
著・文・その他

和歌森 太郎[ワカモリ タロウ]
著・文・その他

小野 祖教[オノ ソキョウ]
著・文・その他

内容説明

生涯に膨大な対談、鼎談を残した折口の対話を三章で構成した安藤礼二のオリジナル編集。北原白秋、室生犀星、西脇順三郎、谷崎潤一郎、川端康成、小林秀雄達と文芸を語り合った第一章。第二章は師・柳田国男と民俗学について。鈴木大拙等との宗教をめぐる第三章は、全集未収録で資料としても貴重な座談会である。

目次

1 文学をめぐって(緑ケ丘夜話(×北原白秋)
古典について(×室生犀星)
一九四九年の春を語る(×西脇順三郎)
細雪をめぐって(×川端康成、谷崎潤一郎)
日本詩歌の諸問題(×神西清、日夏耿之介;三好達治)
古典をめぐりて(×小林秀雄)
燈火清談(×小林秀雄))
2 民俗学をめぐって(日本人の神と霊魂の観念そのほか(×柳田国男、石田英一郎)
民俗学から民族学へ(×柳田国男、石田英一郎))
3 神道学をめぐって(全集未収録座談会)(思想維新―まつりに就いて(×『鶴岡』同人)
神道と仏教(×鈴木大拙、横山秀雄、『悠久』同人))

著者等紹介

折口信夫[オリクチシノブ]
1887・2・11~1953・9・3。歌人、詩人(歌人、詩人としては釈迢空を名乗った)、国文学者、民俗学者。大阪生まれ。1910年、国学院大学卒業後、中学校教師を経て、国学院大学、慶応大学で教鞭をとる。島木赤彦、柳田国男との出会いで歌誌「アララギ」、民俗学雑誌「郷土研究」と関わることとなり、その後の生涯が決定づけられる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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井月 奎(いづき けい)

42
対話集と言いつつ折口の発言は比較的には少ないが、文学者との対話、とくに川端、谷崎との鼎談は笑顔が見えるようで楽しげである。そして、仏教学の巨人である鈴木大拙を加えた宗教談話は鈴木が仏教と神道を通して日本と日本人の未来のことを考えているのに対して、神道側の人たちが、折口も含めて現状の神道への言及をのみ行っているのがとてもおしい。折口と鈴木の発言の接触は緊張感があると同時に何かが生まれる予感を孕んでいるだけにおしいのである。架空の話は不毛だが対談をしていたら、宗教の新地平が見えたのでは、そう思ってしまう。2019/03/12

chanvesa

37
口数は少ないけど、重要なことを絞り出すように語る人。折口信夫はそういう人なのかもしれない。相手がえらい人や、時代の変わり目にも信念を貫く。民俗学や神道のことは何にもわからないので、柳田国男や鈴木大拙との対立点が何なのかあんまりよくわからなくて、なかなか難しい。169頁「なぜ日本人は旅をしたか、…これはどうしても神の教えを伝播するもの、神々になって歩くものでなければ旅は出来ない」というマレビト論(異人論)は、折口の言いたいことを端的に言い表した言葉のように思う。2017/11/29

壱萬参仟縁

11
文人や民俗学、日本文化の重鎮が多数。「日本人の頽廃」はただならぬ(104-05頁)。戦争だけではなく、昭和の初めから現れていたとのこと。今は平成もかなりいっているが、どうなのかな。頽廃しないためには、ひたすら活字の海にまみれる以外ないのだろうけど。霊魂やアニミズムの話題にも事欠かない。「民俗学と民族学」(225頁~)。悩ましい問題だな。まず、分析対象たる共同体がある。それで、社会学なら民俗でも民族でも双方を見ると思う。文化経済学でいえば、目に見えない文化資本は民俗となるだろうか。文化を捉えることの困難さ。2013/08/19

roughfractus02

10
戦前戦後にわたる20人超の文学者、民俗学者、宗教学者と対話を通じて、戦時に神道の探求に集中する著者の姿勢が垣間見える。柳田國男にその姿勢を指摘されて反論し、小林秀雄に歴史の再考を促されて躊躇する時、死の蔓延する世界と共に強まる他界のビジョンが著者の脳裏を占めていたのか?貴種流離譚の物語を書く依代としての作者を『源氏物語』に見た著者に対し、『細雪』の作者谷崎潤一郎は物語に戦時での小説戦略を見出す。他界に古代を見る著者は、華厳宗を通じて現代の霊性を語る鈴木大拙とすれ違う。そんな雰囲気が対話の間合いから伝わる。2025/03/26

うえ

9
折口「戦争の精霊というのは皆家々に所属している精霊…戦争を司るから強い神だと考えたのは後世のことで、つまり神と精霊との区別が無くなって了った時代のことです…本当の武家時代になると、武家の祭っている神は戦争に強い神でなければならないと考えた。例えば甲州の武田が諏訪の神を自分の氏神にして、日本第一大軍神と称した。けれども、諏訪の神は戦争に敗けた神様で、戦争に敗けたものを救ってやろうという悲願を神様が起こしていると説くでしょうけれども、それでないと諏訪の神様が戦争の神様になる理由がないかと思います」2018/06/05

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