出版社内容情報
食道がんに冒され死に直面しながら、自らの生を透徹した眼差しで見つめ、文学的営為の限りを尽くし至高の韻文へと昇華させた、絶唱。つめたい煉瓦の上に/蔦がのびる/夜の底に/時間が重くつもり/死者の爪がのびる(「死者の爪」)。死と対峙し、死を凝視し、怖れ、反撥し、闘い、絶望の只中で叫ぶ、不屈強靱な作家魂。醜く美しく混沌として、生を結晶させ一瞬に昇華させる。“最後の文士”と謳われた高見順が、食道癌の手術前後病床で記した絶唱63篇。野間文芸賞受賞作。
死の淵より
「死の淵より」拾遺
「わが埋葬」以後
高見 順[タカミ ジュン]
著・文・その他
内容説明
死を怯える詩、生死の深淵を凝視する詩、若き命にエールを送る詩、自らの生を肯定する詩―。激動の時代に大いなる足跡を残した“最後の文士”が、人生の最後に到達した、珠玉の詩群。時代を超えた人間の真実がここにある。野間文芸賞受賞。
目次
死の淵より(死者の爪;三階の窓;ぼくの笛;帰る旅 ほか)
「死の淵より」拾遺(おそろしいものが;この埋立地;心のけだもの;心の部屋 ほか)
「わが埋葬」以後(奴の背中には;まだでしょうか;揺れるブランコ;醜い生 ほか)
著者等紹介
高見順[タカミジュン]
1907・1・30~1965・8・17。小説家。福井県生まれ。1908年母とともに上京。24年第一高等学校に入学し、25年同人雑誌「廻転時代」を創刊する。27年東京帝国大学に入学し、28年左翼芸術同盟に参加。32年治安維持法違反により検挙される。35年から文筆業に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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