出版社内容情報
テンポよい展開で視覚的にも読者に訴えかける、短篇最高傑作「やさしい女」と初期の佳品「白夜」。魅力を最大限引き出す新訳。ロシア文学の実験精神が到達した高み 新訳による中篇2作収録
小金にものを言わせ若い女を娶った質屋がその妻に窓から身投げされ、テーブルの上に安置された遺体を前に苦渋に満ちた結婚生活を回想する――。人を愛すること、その愛を持続することの困難さを描いたドストエフスキー後期の傑作「やさしい女」とヴィスコンティによる映画化で知られる初期の佳品「白夜」を読みやすい新訳で収録。
井桁貞義
長篇小説で知られるドストエフスキーだが、同時に中篇小説の名手でもあった。そしてその文学的背景に、1840年代から1870年代にかけてのロシア文学全体に共通する表現方法(フォルム、ポエチカ)の真剣な模索があった。(略)ロシアの作家たちは人間そのものをとらえ、その心の動きを運動のまっただなかで表現することに向かっていた。(略)ここに訳出した2つの「愛をめぐる」中篇小説『白夜』(1848年)と『やさしい女』(1876年)も、そうしたロシア文学の模索の到達点を、それぞれに示したものと言える。――<「解説」より>
やさしい女
白夜
解説 井桁貞義
ドストエフスキー[ドストエフスキー]
著・文・その他
井桁 貞義[イゲタ サダヨシ]
翻訳
内容説明
小金にものを言わせ若い女を娶った質屋がその妻に窓から身投げされ、テーブルの上に安置された遺体を前に苦渋に満ちた結婚生活を回想する―。人を愛すること、その愛を持続することの困難さを描いたドストエフスキー後期の傑作「やさしい女」とヴィスコンティによる映画化で知られる初期の佳品「白夜」を読みやすい新訳で収録。
著者等紹介
ドストエフスキー[ドストエフスキー][Достоевский,Фёдор Михайлович]
1821年10月30日~1881年1月28日。ロシアの小説家。モスクワ生まれ。父は慈善病院の医師。工兵士官学校卒業後、工兵局製図室に配属されるが、一年ほどで退役。以後は文筆活動に専念。1846年処女作『貧しき人々』で華々しくデビューするが、49年ペトラシェフスキー事件に連座、逮捕され、シベリアに流刑。刑期をつとめ上げた後『死の家の記録』等で復帰。封建的秩序が崩壊していく過渡期にあって、矛盾にみちた時代状況を尖鋭に捉え、『地下室の手記』『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』等、人間存在の本質を根源的に追求する文学を創造した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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