内容説明
共産党一党独裁が終焉を迎えつつあった一九八九年夏のソ連、在日朝鮮人の小説家・林春洙とルポライター・姜昌鎬は中央アジアを当局の招待で旅している。スターリン体制下の一九三七年、極東沿海州を追われ中央アジアに強制移住させられた「高麗人」たちを訪ねるのが目的である。二人は故国喪失者の哀切の日々を知る―日本語文学として、世界的視野での表現への挑戦が始まる。
著者等紹介
李恢成[リカイセイ]
1935・2・26~。作家。樺太生まれ。1947年、ソ連領サハリンから脱出。早稲田大学卒業後、朝鮮総連の活動と離脱、広告代理店や経済誌での勤務を経て、69年に「またふたたびの道」で第12回群像新人賞を受賞し、作家となる。72年に「砧をうつ女」で第66回芥川賞を受賞した。94年には長篇『百年の旅人たち』で第47回野間文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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