講談社文芸文庫
原点が存在する―谷川雁詩文集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 277p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900676
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0193

内容説明

五〇年代に彗星のように現れ、「東京へゆくな」「自我処刑」等、強い磁力をもつ魔術的な詩語を駆使した“メタファー詩人”谷川雁。また、「サークル村」に拠り、六〇年安保闘争、大正行動隊のカリスマ的オルガナイザーとして活動、「原点が存在する」等、自立した民衆のコンミューンを志向する先駆的評論を残す。六〇年、「『瞬間の王』は死んだ」と記し、突如詩作を止める―。激しく時代を駆け抜けた詩人思想家の詩、評論、随筆四〇篇。

目次

第1部 詩(『伝達』より;『大地の商人』より;『天山』より)
第2部 評論(「母音」から「サークル村」へ;三池闘争・大正炭鉱闘争;「沈黙」から「復活」へ)

著者等紹介

谷川雁[タニガワガン]
1923・12・16~1995・2・2。詩人、評論家、労働運動家。熊本県生まれ。東京帝国大学文学部卒。西日本新聞社入社。1947年、日本共産党入党、労働争議を指導して解雇される。48年、丸山豊を中心とする詩誌「母音」参加。54年、第一詩集『大地の商人』刊行。58年、筑豊にて上野英信、森崎和江らと「サークル村」創刊、評論集『原点が存在する』刊行。60年、自著あとがきで詩の断筆を宣言。安保闘争、炭鉱争議にオルガナイザーとして関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ころこ

36
詩人だが60ページ以降は文章なので臆せず読める。何とか主義や革命など時代遅れも甚だしい言葉もあるが、村をつくったり組織を運営したりする具体性と身体性は恐らく面倒くさい、それだからこそ地に足のついた活動が目に留まる。なかでも三池闘争、大正炭鉱闘争は学生の安保闘争よりも生活がかかっているだけ切実だ。エネルギー革命により石炭は時代に取り残されていくのは著者も分かっているはず。「ペンをとることが重たい」のはそうだからだが、そうだからとは書かない。2024/10/25

sk

2
やっぱこの人頭いい。2011/08/09

ちるちる

2
詩人、評論家、労働運動化という複数の肩書きを持つ著者の詩、試論、随筆を集めた書。特に読み応えがあるのが第2章労働活動の手記。労働者が権力者に搾取され続ける現状に対する著者の強い憤りを力強い文章の走りにより感じることが出来る。2011/03/17

オオタコウイチロウ

0
217頁「暴力団は存在として悪である」[…]そら、たしかや。けど暴力団は存在の原基やおへん。そやさかい崖からぽろっとはがれて、雑木林ころげて、滝壺にとびこんだ小石みたいな暴力団員一人一人を描かんことには表現にならんくらいのことは、とっくにご承知のはずや。[…]悪い暴力団を利用する人はもっと悪や。暴力団を見世物興行の人気とりの材料に使うて恥ずかしゅうないかと問われて、頭かきもせんと、胸はって正義をもちだすなら、それは「市民原理主義とでもいわんならん。[…]その市民の頭をたたいてみたら、言論の自由と音がする。2021/03/30

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