内容説明
「骨董は自分自身の眼が造り出した芸術であり、人生の表現でもある」―志賀直哉、青山二郎、小林秀雄、白洲正子、井伏鱒二、青柳瑞穂ら昭和の文壇を彩る文士達は、こぞって骨董に惚れ込み、競ってわがものにし、朝に夕べに眺め、玩び、虚心で付き合い、そして日本の美、文化の本質を見出した。文学の対極にある骨董に魅了された文士十六人の骨董のある暮らし、思い出、友情、人生を語った「美の目利き」列伝。
目次
1 文士と骨董(万暦赤絵(抄)(志賀直哉)
骨董夜話(加藤楸邨)
やきものとの出会い(藤枝静男)
やきものの中の散歩(青柳瑞穂) ほか)
2 やきもの随筆(利休寸感(山本健吉)
宗入の茶碗(水原秋櫻子)
京焼(岡部伊都子)
徳利と盃(小林秀雄) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
18
明治から昭和にかけての文士が綴った骨董の随筆を集めた本でした。骨董という共通項もあり、美や、器に対するそれぞれの想いが綴られていて、似たところもあるかと思えば、別の思想で真っ向から対立していることもあったりして非常に面白かった。青山二郎、小林秀雄は、悪名高い骨董好き文士の代表格だと思っていましたが、秦秀雄という輪をかけて酷い人がいると初めて知って、それだけでも愉快な一冊でありました。骨董は治らない病気というのは、まさにと思うところ。2018/05/16
Kuliyama
1
焼きものの専門家ではなく、いろいろな文士・作家の話が読めて、面白かったです。焼きものに興味のある方にお薦め致します。2015/07/15
ここあ1127
1
読了。青山二郎が小林秀雄について書いた文章が読めたのがよかった。青山が小林にまずは朝鮮物のしかも無地のものから入るように注意したってのはおもしろいなぁ2012/11/28
Bandeapart5657
1
青山二郎...2009/12/17