出版社内容情報
判型:A6判
頁数:288p
造本・体裁:仮製・薄表紙・カバー
文圃堂主人と文士たちの半世紀に及ぶ交友録
昭和初年、中原中也「山羊の歌」、最初の宮沢賢冶全集を出版し、「文學界」を発行した著者と小林秀雄、青山二郎ら文士達との50年に亘る親交を綴ったエッセイ集
内容説明
昭和六年、本郷東大正門前に開業した古書店兼出版社・文圃堂。売り場面積三坪余り、主人は二十一歳になったばかりの青年。中原中也の『山羊の歌』、最初の『宮沢賢治全集』を出版、第二次「文學界」の発行所となったが、僅か六年にして廃業。しかし、若者は昭和文学史を彩る多くの文学者達に愛された。小林秀雄、青山二郎、河上徹太郎、そして吉田健一。昭和の知的青春に揉まれ成長した、個性際立つ一出版人の貴重な証言。
目次
小林秀雄と「文學界」
小林秀雄の「中原中也の思ひ出」について
小林秀雄さんの墓
小林秀雄と青山二郎
高級な友情の表現
小林秀雄カラミ道場
小林秀雄服装考
小林さんとの飲み食い五十年
青山二郎の鑑賞眼
ある回想
懐しい「乞食王子」
吉田の健坊と飲み食い話
著者等紹介
野々上慶一[ノノガミケイイチ]
1909・12・11~2004・8・2。山口県生まれ。1931年早稲田大学専門部政経科中退。同年本郷東大前に小さな古本屋・文圃堂を開業。ほどなく書籍出版を手がけ、ジッドの日記や徳田秋声の随筆、中原中也の『山羊の歌』、『宮沢賢治全集』などを刊行。34年小林秀雄の懇請を受け、第二次「文學界」の発行所となる。36年文圃堂を廃業、実業界に入る。戦後も長く小林秀雄をはじめ青山二郎、河上徹太郎、吉田健一、永井龍男ら多くの文士たちとの親交が続いた。骨董鑑賞家として古陶磁、古版画関係の著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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