講談社現代新書<br> 核兵器と原発―日本が抱える「核」のジレンマ

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講談社現代新書
核兵器と原発―日本が抱える「核」のジレンマ

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062884587
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0236

出版社内容情報

北朝鮮の核の脅威にどう対峙すべきか。なぜ自民党は原発政策を逆行させるのか。原子力委員会の元委員長代理が明かした、「核」の真実人類滅亡まであと2分半――。

世界終末時計が
63年ぶりとなる「危機的状況」を指している今、
私たちはどうすればいいのか。

原子力委員会の元委員長代理が
はじめて明かした、日本の「核」の真実!

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北朝鮮の「核の脅威」にわれわれはどう対峙すべきか?

「核の傘」は日本国民を本当に守ってくれるのか?

世界の原子力産業は衰退期に入ったのに、
なぜ自民党はその流れに「逆行」するのか?

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今、日本の原子力政策は、福島事故の教訓を忘れ、
限界と矛盾に満ちたまま、前に進もうとしている。

それに加え、核兵器廃絶という、被爆国日本が
もっとも熱心に取り組まなければならない課題への
大きな障害にもなっている。

一方で、北朝鮮の核の脅威が迫る中、
米・韓・日は制裁に加え軍事圧力を強めており、
北朝鮮情勢はこれまででもっとも緊迫した事態を迎えている。

これに対して、日本や韓国からは、
「米国の拡大核抑止力(核の傘)」をさらに強めてほしいとの
要請が続き、一部には「独自の核抑止力を持つべき」との
意見まで出始めている。

だが、私たちは挑発に乗るのではなく、
冷静に考えてみる必要があるのではないだろうか。

本書は、核分裂のしくみから、核軍縮の国際的枠組みに至るまで、
幅広い課題を扱っている。北朝鮮の核問題、トランプ大統領の登場など、
最新の課題も取り扱うことができた。

本書が日本の抱える「核」のジレンマについて、
少しでも理解を深めるきっかけになれば幸いである。

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【本書の内容】
第1章 巨大エネルギーの「光と影」
――核兵器と原発の密接な関係
第2章 衰退期に入った世界の原子力産業
――原発の何が問題なのか
第3章 63年ぶりに危機的状況となった「終末時計」
――「核の脅威」にどう対処すべきか
第4章 「核の傘」は神話に過ぎない
――「核抑止」論から脱却するには

第1章 巨大エネルギーの「光と影」
――核兵器と原発の密接な関係
第2章 衰退期に入った世界の原子力産業
――原発の何が問題なのか
・第1節 原子力発電の現状
・第2節 福島事故とその教訓
・第3節 逆行する自民党
・第4節 夢の原子炉「もんじゅ」の失敗
・第5節 プルトニウムは「負債」
第3章 63年ぶりに危機的状況となった「終末時計」
――「核の脅威」にどう対処すべきか
・第1節 核兵器の歴史と現状
・第2節 新たな核の脅威
・第3節 核兵器廃絶に向けた潮流
第4章 「核の傘」は神話に過ぎない
――「核抑止」論から脱却するには


鈴木 達治郎[スズキ タツジロウ]
著・文・その他

内容説明

北朝鮮の「核の脅威」にどう対峙すべきか?「核の傘」は日本国民を本当に守ってくれるのか?世界の原子力産業は衰退期に入ったのに、なぜ自民党はその流れに「逆行」するのか?原子力委員会の元委員長代理がはじめて明かした、「核」の真実!

目次

第1章 巨大エネルギーの「光と影」―核兵器と原発の密接な関係
第2章 衰退期に入った世界の原子力産業―原発の何が問題なのか(原子力発電の現状;福島事故とその教訓;逆行する自民党;夢の原子炉「もんじゅ」の失敗;プルトニウムは「負債」)
第3章 63年ぶりに危機的状況となった「終末時計」―「核の脅威」にどう対処すべきか(核兵器の歴史と現状;新たな核の脅威;核兵器廃絶に向けた潮流)
第4章 「核の傘」は神話に過ぎない―「核抑止」論から脱却するには

著者等紹介

鈴木達治郎[スズキタツジロウ]
1951年大阪市生まれ。長崎大学核兵器廃絶研究センターセンター長・教授。1975年東京大学工学部原子力工学科卒業、1979年マサチューセッツ工科大学プログラム修士修了。工学博士(東京大学)。ボストン・コンサルティング・グループ職員、財団法人電力中央研究所社会経済研究所研究員、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授等を経て、2010年1月から2014年3月まで内閣府原子力委員会委員長代理を務めた。核兵器と戦争の根絶を目指す科学者集団「パグウォッシュ」評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

70
世界の傍流を模索・迷走するエネルギー政策。E2Eの運用・管理の道筋が未開。潜在核抑止力や脱炭素の代償が、行き場を失ったプルトニウム50万トン。妥当性?国民の信頼失墜の中、”Veto player”がそれでも幅を利かすのか。客観的・現実的な評価をするにも、VistionもないのでRoadmap・戦略もない。時間切れ狙い?!著者の論旨は概ね簡潔で分かりやすい。但し、「将来世代に選択肢を残す」など、耳障りが良い表現ではあるが、問題先送りとしか聞こえない件もある。現実解?自分の子供に面と向かって言うのかな?2021/07/20

skunk_c

20
原子力の平和利用推進者でありながら、核兵器廃絶を目指すパグウォッシュ会議のメンバーでもある著者のてによるもので、終盤に書かれる核抑止論批判は傾聴に値する。すなわち、北朝鮮は今や世界で一番の核抑止論国で、ゆえに核開発に前のめりになっているから、日本が核抑止論に傾くのは逆効果で、北東アジア非核兵器地帯を目指すべきとする。理想論と片付けるのは簡単だが、その困難さを含めて主張する著者には拍手を送りたい。しかし、原子力の平和利用推進の立場を捨て切れていないためか、奥歯に物の挟まったような、歯切れの悪い部分も感じた。2017/12/18

coolflat

18
32頁。包括的核実験禁止条約(CTBT)。地下を含むあらゆる核実験を禁止した条約。1996年9月に採択された。日本は1996年9月24日に署名、97年7月8日に批准しており、2017年9月現在、183カ国が署名、166カ国が批准している。ただし、本条約は特定の44カ国(発効要件国)が批准しないと発効しないこととなっている。この「発効要件国」のうち、批准は36カ国にとどまっており、未批准国は米国、中国、エジプト、イラン、イスラエルの5カ国、未署名・未批准国は北朝鮮、インド、パキスタンの3カ国となっている。2018/06/14

ophiuchi

15
「もんじゅ」があんな大失敗に終わっても、核武装というオプションを無にしないために、経産省・自民党は核燃料サイクルをあきらめたとは言わない。一度揚げた旗を降ろせないという日本の権力者たちの体質は戦争に惨敗しても変わることがなかった…2018/05/23

belier

5
著者は日本の原子力政策の司令塔だった原子力委員会の委員長代理だった人。その原子力委員会は1956年に正力松太郎が委員長で湯川秀樹が委員として発足したが、意見が対立して湯川は1年で辞任した。正力が日本の原子力政策の方向を決めることになった。日本の原子力利用とは平和利用を謳いつつ、潜在的には核武装を可能とするものだ。その潜在能力に拘るため、非効率的な再処理工程をやめられず、安全面、費用面で負荷がかかっている。そして核の傘を妄信するため、被爆国にもかかわらず、核軍縮に消極的という矛盾を解消できないでいる。2025/03/28

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