講談社現代新書<br> インド人の「力」

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講談社現代新書
インド人の「力」

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062883542
  • NDC分類 361.42
  • Cコード C0236

出版社内容情報

インドの時代がやってきた!? グローバル時代の「勝ち組」インド人は本当に頭がいいのか? 現代インド人の本当のすがた。近年、ITエンジニアだけでなく、グローバル企業のトップにつくインド人が増えてきました。ソフトバンクの孫正義社長が次期社長に巨額の報酬でヘッドハントしたニケシュ・アローラ氏もインド出身です。

ではなぜ、今インド人が引っ張りだこなのでしょうか。「0」の発見国で元来、数字に強く、それがITという現代のニーズとマッチした、英国領だったので英語に強い人が多い、などということもあるでしょう。しかし著者の見立てでは、より深いバックボーンには、インドの「多様性」があるということです。
 
インド人CEOの特色として、トップダウン型ではなく調整型が多いことが挙げられます。多くの人の話に耳を傾け、納得してもらえる答えを出すように努めるのです。これはインドという多言語・多文化複合社会に生きる人びとが生み出した智慧の産物です。インドは国の中に世界のすべての気候と人種と宗教が存在していると言われるほどに多種多様な人びとの集まりです。しかもインド人は非常に自己主張が強く、協力ということができない。「1人のインド人の働きは2人の中国人に勝る。しかし2人、インド人が寄ると1人の中国人にもはるかに及ばない。そして3人のインド人は何の役にも立たない」、そんな自虐ジョークがあるほどです。

インド人エリートとは、そんなタフな社会でもまれてきた人びとです。さらに一段高い目標にまでみんなを引っ張って行くためには、自己主張だけでは不十分で、折り合いを付けることが最も大切だ、そんな高い境地が自然と身についているのです。多様な価値観の混在する現代社会でいま必要とされているのは、「対話・融和」的な態度でしょう。これは日本人にもなじみ深い態度ですが、加えてインド人には英語力という「力」があります。グローバルな発進力という点では、やはりインド人に軍配が上がるのではないでしょうか。

 本書では、グローバル時代の最初の勝ち組と呼ばれるインド人の「力」の秘密を探ります。

はじめに───インド人の「能力」と「脳力」
第一章 インド式教育とインド人の数学力
第二章 インド人の言語力と英語能力───インド英語で世界へ
第三章 自己を貫き通す力───インド人の発信力と交渉力
第四章 多様性大国の光と影─「個の力」がせめぎ合う国の人間模様
第五章 混沌を力に───グローバル企業とインド人経営者たち
引用文献


山下 博司[ヤマシタ ヒロシ]
著・文・その他

内容説明

なぜグローバル企業CEOに抜擢されるのか?驚異の二桁暗算術から英語力、議論力まで現代インド人に見るグローバル社会の“常識”。

目次

第1章 インド式教育とインド人の数学力(ラフマーン一家の決断;飛び級と落下傘入学 ほか)
第2章 インド人の言語力と英語能力―インド英語で世界へ(イギリスを上回る英語人口;英語習得による効用と社会的ディバイド ほか)
第3章 自己を貫き通す力―インド人の発信力と交渉力(インド国民は言論の自由を一二〇パーセント行使する;インド国民は表現の自由も一二〇パーセント行使する ほか)
第4章 多様性大国の光と影―「個の力」がせめぎ合う国の人間模様(何から何まで揃った国―「オールインワン国家」インド;サンダルから原爆まで自力で作る国 ほか)
第5章 混沌を力に―グローバル企業とインド人経営者たち(バングラデシュ出身のエンジニアたち―言語運用力と人心掌握術の片鱗;グーグルの「侍」、ニケーシュ・アローラのソフトバンク入り ほか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

116
昔、インドに行ってみたいと思った事がある。友人でインドに行った事がある人が、あんなとこ絶対行くもんじゃ無い!やめておけ!と言われた。私のインドに対するイメージは毎日カレーを食べる、小学校で99×99を暗唱する、よって数字に強いし、ITにも強い。ガンジス川で洗濯をするし排便もするし、川葬もする。ブッダ生誕の地。などなど。本書を読んでインドのイメージは多言語を多くの人が話す。1人で2人分の能力をもつが3人集まると意見が合わず後退してしまう。貧富の差が著しく広い。など最初のイメージとは…半分くらい当たってたかな2023/12/21

ふろんた

25
職場にインド人が数名いるけど、本書と違ってもっと日本人化しているぞ。インドに住んでる人とインドを出た人の差なのか。2016/06/09

akira

21
図書館本。 非常に刺激的な本だった。先日読んだ「フラット化する世界」でもインドが取り上げられていたが、まだまだ知らない事が多い。意識的に触れなければ知り得ないとも実感した。 英語圏と非英語圏という差。英語圏ならばフィルタリングされずリアルタイムで情報が入手できる。日本のような単一言語国家だとその時間の差は大きいのだなと。まだまだ世界を知らないことを知る一冊となった。 「インド人の場合、英語が得意な分、活躍の舞台が外国にまで自然かつ容易に拡張する」2019/08/19

ヨータン

21
インド人についてわかりやすく書いてあり、楽しく読みました。好奇心旺盛で、おせっかいで、議論好き、譲るという言葉はなく、何でも我先に行い、語学も数学も堪能で、物怖じしない。身近にいたらとても疲れそうだけどインド人のバイタリティー、タフさがとてもうらやましいなと思いました。2016/11/12

もりやまたけよし

12
中国や韓国のことはかなり話題になっていますが、インドのことはあまり知りませんでした。日本人との比較を通して、インドの人の特徴を説明しています。一般的なインドレポートとしてさっと読めます。あまり深読みしないでもいいという気もします。2016/08/07

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