講談社現代新書<br> 「失敗」の経済政策史

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講談社現代新書
「失敗」の経済政策史

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882675
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0230

出版社内容情報

なぜ政治家や官僚は「失敗」を繰り返すのか。財務省や日銀の「無謬性」には根拠がない。同じ轍を踏まないための警告の書。長期政権を維持してきた自民党、あるいは一時的に政権の座に着いた非自民連立内閣、民主党などは日本経済浮上に向けた努力をしたようにも見える。

財政金融政策の実務を担ってきた大蔵省(現財務省)、日本銀行もさまざまな政策手段を駆使した。

だが、それらはこれまで実ることがなかった。

なぜなのか。

「失われた20年」の教訓とは何か。

「失敗のツケ」を払うのはいつもわれわれ。

バブル崩壊後の20年間の経済政策を振り返り、同じ過ちを繰り返さないために広く世間に警告することが、本書の目的である。



【おもな内容】
第一章 焦土からバブルの「宴」まで―戦後日本経済の疾走
 「インフレ和尚」の生産再開/「天才」に勝った「教祖」/「それでも銀行の頭取か!」 ほか

第二章 「宴」の裏で悪魔が微笑んだ―バブル崩壊の爪痕
 虚しく響いた三三七拍子/「平成の鬼平」は正義の味方?/大銀行が料亭女将に頭を下げて…… ほか 

第三章 血税が底なし沼に消えた―政策誤操作で「戦後最悪の不況」へ
 大蔵省、街宣車に包囲される/山一証券は二度死ぬ/「慶応」と「女性」で委員長に/「佐々波委員会」のあきれた実態 ほか

第四章 「小泉改革」の正体―戦後最長景気の幸運
 姿を消した「元日本一」企業/「再生機構」の功罪/波乱の郵政民営化/なぜ四分社化だったのか ほか

第五章 そして「格差社会」が進んだ―日本型雇用慣行の崩壊
 秋葉原の悲劇/竹中の入れ知恵/派遣は「小泉改革」で激増した/「宮内委員会」の暗躍と奥谷の暴走 ほか

第六章 「日銀理論」の自縄自縛―迷走した金融政策
 「異次元のバズーカ砲」/日銀は資金供給をコントロールできない?/岩田・翁論争/目まぐるしい迷走 ほか

第七章 「国民の生活」は「第一」ではなく……―背信のマニフェスト
 財務省執念の二ケタ税率に/消費増税は「マニフェストにはなかった」?/「究極の大増税」再び ほか

第一章 焦土からバブルの「宴」まで―戦後日本経済の疾走
焦土からの出発/「インフレ和尚」の生産再開/「天才」に勝った「教祖」/あゝ上野駅/「それでも銀行の頭取か!」/ニクソン・ショック/「油断」が高度成長の息の根を/ジャパン・アズ・ナンバーワン/電撃! プラザ合意/そしてバブルへ
第二章 「宴」の裏で悪魔が微笑んだ―バブル崩壊の爪痕
虚しく響いた三三七拍子/「土地神話」も崩れた/「総量規制」の効果/バブルとは何か/「平成の鬼平」は正義の味方?/バブルつぶしの功罪/「宴」の裏で悪魔が微笑んだ/大蔵省は「焼け太り」/食い物にされた住友銀行/大銀行が料亭女将に頭を下げて……
第三章 血税が底なし沼に消えた―政策誤操作で「戦後最悪の不況」へ
日銀氷川寮、再び/危機は信組から大手銀行へ/大蔵省、街宣車に包囲される/山一証券は二度死ぬ/「慶應」と「女性」で委員長に/「佐々波委員会」のあきれた実態/血税が底なし沼に消えた/九兆円財政デフレ/政策誤操作で「戦後最悪の不況」
第四章 「小泉改革」の正体―戦後最長景気の幸運
「変人」首相の誕生/合言葉は「改革なくして成長なし」/「竹中プラン」/不良債権処理を進めたのは長期好況/姿を消した「元日本一」企業/「再生機構」の功罪/波乱の郵政民営化/なぜ四分社化だったか/郵政民営化で行財政改革は進んだか
第五章 そして「格差社会」が進んだ―日本型雇用慣行の崩壊
秋葉原の悲劇/「富国貧民」「社富員貧」/小泉首相は格差拡大を是認/竹中の「入れ知恵」/派遣は「小泉改革」で激増した/心を病むワーキングプア/「宮内委員会」の暗躍と奥谷の暴走/日本型雇用慣行が崩壊する
第六章 「日銀理論」の自縄自縛―迷走した金融政策
「異次元のバズーカ砲」/日銀は資金供給をコントロールできない?/岩田・翁論争/「日銀側の証人」/そして、ゼロ金利へ/日銀不況/ついに量的緩和に/目まぐるしい迷走
第七章 「国民の生活」は「第一」ではなく……―背信のマニフェスト
財務省執念の二ケタ税率に/消費増税は「マニフェストにはなかった」?/理想は高かった「子ども手当」/だが、「元の木阿弥」へ/「金なんかいっくらでも……」/「返り血」の覚悟なく……/「究極の大増税」再び


川北 隆雄[カワキタ タカオ]
著・文・その他

内容説明

なぜ政治家や官僚は「失敗」を繰り返すのか―。「失敗のツケ」を払うのはいつもわれわれ。同じ過ちを繰り返さないためにバブル崩壊後の20年間の経済政策を振り返る。同じ轍を踏まないための「警告書」。

目次

第1章 焦土からバブルの「宴」まで―戦後日本経済の疾走
第2章 「宴」の裏で悪魔が微笑んだ―バブル崩壊の爪痕
第3章 血税が底なし沼に消えた―政策誤操作で「戦後最悪の不況」へ
第4章 「小泉改革」の正体―戦後最長景気の幸運
第5章 そして「格差社会」が進んだ―日本型雇用慣行の崩壊
第6章 「日銀理論」の自縄自縛―迷走した金融政策
第7章 「国民の生活」は「第一」でなく…背信のマニフェスト

著者等紹介

川北隆雄[カワキタタカオ]
1948年、大阪市に生まれる。東京大学法学部卒業後、中日新聞社入社。同東京本社(東京新聞)経済部記者、同デスク、編集委員、論説委員、政府税制調査会専門委員などを務める。現在、ジャーナリスト、専修大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

28
1973年頃、福田赳夫蔵相は狂乱インフレと名づけ、日本経済を全治3年と診断した。スタグフレーションで物価も上がったし、モノも不足したという(37頁)。金を貸す長信銀が、金を貸す先が先細った。それで、大阪の一料亭の女将に頭を下げて、金を借りてもらうようになったという(114頁)。本末転倒だが、金を借りる人が頭を下げているわけではない。頼むから借りてほしい、とは。。秋葉原事件の育った環境は、虐待などで勉学意欲が湧かない。著者も意欲が湧かず、を繰り返している(163頁)。2015/10/24

Miyoshi Hirotaka

26
GHQ占領下で経済復興を実施するために導入された傾斜生産方式は石炭、鉄鋼から始まり、産業を統制し、高度成長の原動力になった。産業の主力が半導体、コンピュータに替わっても続けられ、日本型経営とともにわが国の競争力の源泉と称賛された。ところが、失敗は成功と同じ原因から生じた。官の強い力により規制緩和、市場開放という変化が先送りされ、長い不況と弱い回復を繰り返す「失われた20年」に突入。バブル期の不良債権、金融不安、経営破綻の処理に膨大な血税が投入された。環境変化に目をつぶることは大きな痛手となって返ってきた。2016/08/09

ようへい

5
経済史的な話かなと思ったら、バブル崩壊からアベノミクス前までの話だった。金融政策メイン。景気は誰にも操れないとわかっていながらも音頭を取っていかなければならない悲しい狸。我こそはと英雄に憧れる寂しい雀。心霊現象を良い霊だ、悪い霊だと解析議論するTVショウ。それでも無理ゲーを運ゲーにする執念に感謝しなければならない。太古の巫女みたい。2019/01/18

おせきはん

5
バブル崩壊後の経済政策を中心に、第二次世界大戦後の日本経済の歴史を概観しています。消費税の導入や増税など、国民に直接、負担を求める政策を実施しようとすると選挙で負ける歴史が繰り返されていながら、それでも取り組むべきことに向き合おうとする政治家は、色々なことを言われますが、重い責任を果たしている側面もあるのだと思いました。2014/07/26

doremi

3
これが失敗なら、どうすれば?への回答はありません。それを考える素材の提供にとどめています。内容は、新書よりも単行本が適切かと。 2014年 C0230 \800. 20142014/08/24

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