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講談社現代新書
「幽霊屋敷」の文化史

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  • サイズ 新書判/ページ数 286p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062879910
  • NDC分類 523.045
  • Cコード C0252

内容説明

恐怖が娯楽に変わるとき。18世紀のゴシック小説から現代のディズニーランドへ。

目次

はじめに 東京デイズニイランドに往きしことある人は…
第1章 ホーンテッド・マンション再訪
第2章 それはゴシック・ストーリーから始まった
第3章 そこに不気味な館は建つ
第4章 ファンタスマゴリーの魅惑
第5章 蝋人形とペッパーズ・ゴースト
第6章 幽霊屋敷のアメリカ化
むすびに ふたたび東京へ

著者等紹介

加藤耕一[カトウコウイチ]
1973年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。東京理科大学助手、パリ第4(パリ=ソルボンヌ)大学客員研究員(日本学術振興会海外特別研究員)、東京理科大学非常勤講師、青山女子短期大学非常勤講師などを経て、近畿大学工学部建築学科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

147
ホーンテッドマンションの歴史や仕組みも面白いが、私は舞踏場や墓地で騒ぐ幽霊達から鬼太郎の「夜~は墓場で運動会」という歌を連想した。幽霊を恐れつつ心のどこかで彼らの盛んな活動を歓び、客として参加したがる人間が一番不思議。ヤングの詩に《ここは荒れ地。ここは孤独な場所/墓地では、なんとたくさんのひとたちが、/なんと生き生きとしていることだろう!》とあるように、幽霊屋敷は空想を膨らませて死者と親しむ祭りとも思える。「未然の恐怖」を発明したポーの偉大さ。なるほどアッシャー家のアトモスフェアは甘い欲情を喚起するなあ。2020/06/12

ホークス

44
2009年刊。TDLのホーンテッド・マンションを愛し、幽霊屋敷の到達点とも考える著者が、ソフトとハードの両面から200年に及ぶ西洋幽霊屋敷の発展史を語る。そもそもキリスト教は幽霊を認めていない。この壁を崩したのが、英国発祥の「ゴシック=神秘・戦慄の物語とその雰囲気」という概念。映写機の祖先である幻灯機、マダム・タッソーの蝋人形、TDLで効果を上げるペッパーズ・ゴースト等、ギミックや美術の開発もめざましかった。隆盛に導いたのがロンドンの王立科学技術会館というのは意外。ゴシック文学史、興行技術史としても読める2020/10/29

たくのみ

16
血塗られたマダムタッソーとフランス革命の変転。そこから派生する蝋人形ブーム。西洋のお化け屋敷の歴史が、こうして一冊にまとめられると面白い。伝統的な光の幻影「ファンタスマゴリー」を受け継ぐ「ホーンデットマンション」。カートに乗り込んでくる「幽霊たち」はホログラムではなく、古典的テクニックだったというのが驚き。はじめは8年間放置されていた第一の「ホーンデッドハウス」から始まり、日本のディズニーランドのものは、作り手たちの試行錯誤の結晶だった。あのアトラクションを見る目がきっと変わります。2016/03/24

rosetta

14
幽霊屋敷も言ってもいわゆるオカルト系の、DQNが肝試しに行くような所ではなく真っ当な娯楽としてのお化け屋敷の方。作者はゴシックを専門とする建築系の研究者らしい。東京ディズニーランドのホーンテッドマンションを完成形とする幽霊屋敷の歴史を歴史的、文化的に紐解く。面白く興味深い論考である。2019/01/12

misui

11
タイトルにやや偽りありで、幽霊屋敷の文化史というよりはディズニーランドのホーンテッド・マンションを取っ掛かりにゴシック史にも言及しつつ、そこに使われている技術の源泉である興行の歴史を見るものである。種村季弘とかあのあたりを新書に落とし込んだ感じで読みやすい。ゴシックがその始まりから人工的であった点、家と荒野の霊、あるいはマダム・タッソーの来歴などが個人的に気になった。2013/11/17

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