内容説明
ブランフォート財閥の「世界統一政府プラン」に巻き込まれたせいで父を殺され、すべてを失った桜井海斗。天才美少女・リザとともに、復讐の準備を整えていた彼は、突然、深夜の品川ふ頭で謎の暴漢たちに襲撃される。だが、なぜかロシア語を使う強力な軍隊が、そんな海斗たちを救うのだった！まったく新しい経済活劇として話題を呼んだ『雷撃☆ＳＳガール』の至道流星が描く、失われた日本経済への鎮魂歌。もう一度、誇りを奪り還すための“リアル経済エンターテインメント”ここに完結。
著者等紹介
至道流星［シドウリュウセイ］
１９７６年生まれ。『雷撃☆ＳＳガール』にて第７回講談社ＢＯＸ新人賞・流水大賞受賞。同作にてデビュー。本業は会社経営者。その傍ら、ライター、漫画原案など幅広い分野で活動する（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ymartak
4
作者の得意とする、現実の社会や経済の一皮剥いた実層部分を、ラノベ的な登場人物が切り開いていくタイプの物語。所々に垣間見える作者の本音的な部分を探して自分なりに咀嚼するのも、楽しみ方のひとつかもしれません。2012/05/10
葉月雫
3
オススメ度：★★★2015/04/07
マギカ鍋
2
世界の富の半分を握る富豪に父を殺された海斗は復讐資金を稼ぐ為、企業買収を、後編。海斗達の空虚な事業が数兆円規模の企業体に成長する馬鹿げた話を現実の911以降の政治経済が裏打ちする。衆愚の言及に抵抗を覚えても暴徒の流れに逆らう事は無意味で世界の頂点を奪えても顔ぶれは変わらず。その事は大衆に支えられる強者の皮肉な弱肉強食を表し容易く変わらぬ世界の法則を示す。人は御劔が叫ぶように生まれ故に人生に意味を求め生きる故に海斗のように世界よりも大切な何かと出会う。その攻防が皮肉な世界を形作るなら個人は何を望むだろうか。2013/05/07
tooka
2
海斗を権力者の隠喩として大衆を侮蔑を告発しているとするか、セカイ系の亜種（天才に必要とされ中間の社会性をそぎ落とし世界の命運に関与する）とするか、開き直った決断主義の発露（エゴイスティックな結論）とするか、単に中二病小説と捉えるか。個人的には「告発しようとして決断主義に陥った」に一票。あと経済でのし上がり絶望を克服するための処方箋が信仰対象（リザ）の獲得ってのは、それこそ主人公が絶望する“愚民”思考。変化しない偶像にしてしまうならリザのキャラクター性はなんだったのかと。2010/09/29
nawade
2
★★★☆☆ 失われた経済への鎮魂歌と例えられるように物語はひたすら淡々と進みます。盛り上がったのは対ハートフルファイナンス戦くらいかな。結局、最後までリザの天才性というのは伝わってこなかった。背伸びした子供にしか見えない。背表紙の女性を見た時から期待していたのですが、最後に登場した時には嬉しかった。やはりリザとは存在感／格が違う。2010/03/02
