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ゴーストの条件―クラウドを巡礼する想像力

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  • サイズ B6判/ページ数 476p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062837385
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

最もリアルで最も同時代的なキャラクター批評の最新形。

固有名(キャラクター)に宿る哲学、クラウド化する二次創作、現実化されなかった可能性――水子の物語。現在を彩る物語たちを三つの異なる視点から照射し、そこに見出され問われる新たな作家性“ゴースト”を浮上させる。もう成長しない日本と、その震災以後の作品(コンテンツ)に宿るべき“希望”を描き出す渾身の書。満を持していよいよ登場!

「東浩紀のゼロアカ道場」から発掘された一つの才能が、難産の末ついにデビュー!

東浩紀、推薦!
「『動物化するポストモダン』『美少女ゲームの臨界点』の精神は死に絶えていなかった――セカイ系コンテンツ批評の新たな逆襲!」

村上 裕一[ムラカミ ユウイチ]
著・文・その他

内容説明

固有名に宿る哲学、クラウド化する二次創作、現実化されなかった可能性―水子の物語。現在を彩る物語たちを三つの異なる視点から照射し、そこに見出され問われる新たな作家性“ゴースト”を浮上させる。もう成長しないと日本と、その震災以後の作品に宿るべき“希望”を描き出す渾身の書。最もリアルで最も同時代的なキャラクター批評の最新形。

目次

第1部 固有名の哲学(アイドル;キャラクター)
第2部 クラウド化した二次創作(創作性の変容;非現実を描く辞書;ゴースト;ニコニコ動画)
第3部 水子の倫理(人形と奇跡;水子の物語)

著者等紹介

村上裕一[ムラカミユウイチ]
1984年生まれ。早稲田大学第一文学部総合人文学科文芸専修卒。出版社勤務の傍ら「東浩紀のゼロアカ道場」に参加。最終関門通過者として、書籍デビューの権利を得る。フリーとして『WEBスナイパー』、批評同人誌『BLACK PAST』などで執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

17
『ゴーストの条件』は『嵐が丘』のサブテキストとしてかりたのだが、アニメの戦闘魔女少女の「ゴースト」性について、それは叶えられない夢を託す水子の霊なのだという。この絶望社会の中で希望を見出す少女キャラの「ゴースト」(幽霊という意味とスピリチュアルな精神性という意味もある)と捉え、大きな物語に飲み込まれていく小さな物語。たとえばキリスト教の一神教に飲み込まれていくアニミズム(多神教世界)が無垢なポジティブシンキングなヒロインを生み出す。その対極にオタクの絶望社会があるというゼロ年代論。2025/03/04

プロムナード

4
「ゴースト」という概念や「水子の倫理」という発想が面白く、近年なぜn次創作、物語の自動生成、メタフィクション化といった事態が加速しているのか、その本質の一端を垣間見た気がします。ただ、この核となる概念の説明が大雑把すぎるのが残念……。2段組み・450ページの大半は「ゼロ年代のオタク文化語り」といったブログ的文章で(しかも、対象作品を知らないとついていけない点多数)、結局「ゴースト」とは何だったのか?と途方に暮れる。それはそれ、ディープなゼロ年代語りを楽しむという別の意味の面白さはありましたが。2018/07/15

梟をめぐる読書

4
良くも悪くも、ゼロ年代批評の延長戦といった印象。「ゴースト」というキー概念も、先行の論者たちがさまざまに名指してきたものと、明確に区別されうるものなのか、どうか。だがしかし、この絶望的な世界に「生まれてしまった」非・非在者の苦しみを「水子」の主題として虚構世界のなかに求め、また同時に現実的なレヴェルでの生の肯定を語ろうとする第Ⅲ部以降の展開は素晴らしい。2011/10/26

鳩羽

3
解釈され創作され、絶えず成長し続けるようなキャラクターをゴーストと名付け、その現実と虚構の狭間に生まれ落ちてしまった水子のようなキャラクターを評価することで、我々自身を肯定しうる希望を謳った新しいキャラクター論。哲学用語が入ってくると難しく、文章そのものも読みにくいので、ゴーストと水子の関係が実はよく分からない。ゴーストも何度も言葉を変えて説明されるので、混乱してしまった。ゴーストはキャラであり、場であり、穴であり……。受肉という言葉か印象的だった。ダイナミズムとメタボリズムのモデルが、何にでも当てはまり2011/09/06

Was

2
キツい。サブカルを擁護するために理論がパッチワークのごとく使われ、分析の視点が目まぐるしく入れ替わる。東の概念に殆ど無批判に乗っていて、どこが新しいのかよくわからない。こういう論文を書かないようにしなければ、という自己反省の機会を与えてくれる。2013/12/22

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