内容説明
謎の少女“こぐま”がいざなう、愛と人間を巡るミステリアスな物語世界。無数のエピソードと、新世界“チチェ”の物語が連鎖する時、まだ誰も見ぬ現代のフェアリー・テールが生まれる―。
著者等紹介
ロクニシコージ[ロクニシコージ]
1996年、『今、ニャン時ニャン分ニャン秒!?』(『ヤングマガジン赤BUTA』/講談社)にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サイバーパンツ
10
初めは世にも奇妙な物語のようなブラック短編が続くのだが、それらバラバラになった物語の断片は、次第にこぐまという少女を中心として連鎖していく。狂言回し的な立ち位置で物語る者として存在していたこぐまが、ある少年との出会いをきっかけに自身の物語を歩み始めるとき、彼女はひとりの独立したキャラクターとして生まれ変わっていく。これは愛という作品として産み落とされたこぐまが、愛や傷を感覚的に知ることのできる人間へと生まれ変わる物語なのだ。2017/08/24
滝ボーヨ
4
序盤は笑ゥせぇるすまんに近いダーク系短編集だが、中盤のチチェが登場した瞬間物語は連鎖を始める。天使か悪魔か判らないこぐまを軸に拡散を続けるその連鎖は、あらゆる人間の人間らしい矛盾や狂気、悲しみを巻き込んで終盤へと雪崩れ込む。しかし最後に浮かび上がってくるのは、様々な負の感情をも包み込んでしまう、巨大で素朴な愛の姿だ。名作過ぎる。2012/05/26
natsumoto
3
一生にいちど描けるか描けないか、そういうたぐいの2009/02/18
たけのこ
2
あれ、これ傑作なのでは?最初ちょっと悪趣味な天使の話かと思わせておいて、きれいに伏線全部回収してひとまとめにしてくる感じなかなかすごいです。構えないで読んだんで、え?つながってるの?と思ったときにはもう術中にはまってましたね。また読み直そうと思います。2023/07/17
ARGT
2
週刊誌に連載されていた作品なのに全一巻(旧版だとニ巻)で上手くまとまってて打ち切りとかじゃなくて最初から短期集中連載だったのかと思うくらいお話の構成が良かった。伏線回収して上手くおちてるのも良いです。面白かった。2011/10/09