内容説明
『ファウスト』連載の４篇に新作イラストーリー『七つの顔と喰えない魂』、書き下ろし小説、幻のカラーイラスト４０点を加え、更に登場人物解説、シリーズ年表、用語註釈などを収録。「講談社ＢＯＸ」レーベル発足以来、最大級の“奇書”が、ここに出幻する。
著者等紹介
ゆずはらとしゆき［ユズハラトシユキ］
小説家・漫画原作者
ｔｏｉ８［トイハチ］
イラストレーター、アニメーター（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CCC
8
どうにも設定の詰め込みっぽくて、絵本、漫画等入り交じる文書形式もわざとらしい、作られた奇書のように感じられたのだけど、読み終えた頃には何だかんだで惹き込まれていた。作者の熱量に負けた。2018/06/15
おりすと
5
昭和30年代、架空の東京が舞台の伝奇的、旧未来的、頽廃的、哲学的…な作品集。物語の設定からしてモザイク様に寄せ集まった全体像をしているのに加え、何と言っても小説やイラストストーリー、漫画、小説＋漫画と作品形態も様々あるのが特徴的です。初めは比喩や用語の多い言い回しにクラクラさせられますが、通して読むと各話が他の話の補完になっているのに気付いてぼやっとした全景が見えてきます。物語構造が複雑なのに加え、登場人物の過去がエグかったり、この本自体高かったりとハードルが多いですが、中二心が擽られる事は間違いなしです2014/09/14
hroko
3
太平洋戦争末期に、虐殺された人々の呪詛により破壊する爆弾で壊滅した東京を舞台として設定した上で、都市の復興と発展の様相を、様々なギミックとガジェットで描いたタイトルどおりの「空想東京百景」です。特定の場所、人物の連作短編の形式を取っていますが、基本的に設定を示すことか風景を描くことを目的にしているので、人物はイマイチな感じです。その分、設定や風景は楽しめます。忘れた頃に、読み返してみようかなという読後感です。2015/11/15
胡乱
3
昭和三十年八月二十日、東京に投下された新型爆弾は数百万人の東京都民を一瞬にして塩の柱に変えた…舞台は、そこから奇跡の復興を遂げた昭和三十年代、パラレルワールドの<東京>。当時の芸能・スポーツなどの時事ネタも私たちの知っている昭和とは微妙に違ったりして、ものすごく綿密に作り込まれている。逆に情報量が多すぎて全ては理解できず…でも設定がすごく好き。この本を楽しめるかどうかは、やはり世界観に入り込めるか、その世界観の中で想像を膨らませられるか、にかかっていると思う。2012/10/05
臓物ちゃん
3
解説が本文で本文が解説。めくるめく奇想世界。でも何か足りないんだよなーって感はあって、でもその感を埋める何かが自分の中に芽生えてしまう。まさしく奇書を名乗っていい名作。昭和大好き。2012/09/11
