出版社内容情報
読みやすい総ルビ、カラーさし絵、本文中の豊富な用語解説で、文学にはじめて出会う子供の理解を助ける、日本文学全集の決定版ヒューマニズムを讃える白樺派作家の名作! <収録作品>志賀直哉「小僧の神様」「網走まで」「母の死と新しい母」「正義派」「清兵衛と瓢箪」「城の崎にて」「雪の遠足」「焚火」「赤西蠣太」、武者小路実篤「小学生と狐」「ある彫刻家」、有島武郎「一房の葡萄」「小さき者へ」。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
小僧の神様
網走まで
母の死と新しい母
正義派
精兵衛と瓢箪
城の崎にて
雪の遠足
焚火
赤西蠣太
小学生と狐
ある彫刻家
一房の葡萄
小さき者へ
略年譜
志賀 直哉[シガ ナオヤ]
著・文・その他
武者小路 実篤[ムシャノコウジ サネアツ]
著・文・その他
有島 武郎[アリシマ タケオ]
著・文・その他
太田 大八[オオタ ダイハチ]
著・文・その他
内容説明
仙吉が奉公する店に、ある日訪れた一人の客。まるで自分の心を見透かすように鮨屋に連れていってくれたこの客の正体に、仙吉は思いをめぐらせ―。少年の心情を鮮やかに切り取った「小僧の神様」をはじめ、白樺派を代表する作家三人の作品を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブトムシ
23
「小僧の神様」…「屋台のすし屋に小僧が入って来て一度持ったすしを価をいわれ又置いて出て行く。これだけが自分が其場に居あわせて見た事である。此短編には愛着を持っている。」(「創作余談」)いかにも短編らしい短編です。その意味では前期における「清兵衛と瓢箪」を連想させます。この「小僧の神様」は、大正9年「白樺」1月号に発表された作品です。「一房の葡萄」…有島武郎は大正時代のやはり白樺派の小説家です。この人の小説には、何か気品を感じます。この「一房の葡萄」という小説は、その最たるものです。私はこの小説が好きです。
rokoroko
18
柏市のあけぼの山公園と言うところにコスモス見に行った。布施弁天と言う場所の近くだ。志賀直哉は「雪の遠足」という作品で布施弁天を書いているというので読んでみた。凍てつく冬の我孫子市と往復8キロくらいの遠足にいぬが付いてきたという他愛もない話。コスモスに人が集まり弁天には七五三祝いの家族が駐車場に社殿にと華やかに群れている現在を志賀氏に見せてあげたい2020/10/22
うらなり
8
子供向けの本ですが字が大きいのと、字句の解説があるので楽しいです。白樺派の作家3人。共通は学習院、帝大、お坊ちゃま。志賀、武者小路は天寿を全うしたが、有島は海外留学経験もあるが45歳で心中。短編を中心に編纂されているがどれも素晴らしい。それぞれの作家の長編も読んでみたい気になりました。和解、友情、或る女。2020/04/05
たつや
5
志賀直哉、有島武郎、武者小路実篤、三人の名作をオムニバスで読める贅沢な一冊でした。どれも味わい深いので繰り返し読めればと思う。2024/05/17
訪問者
4
志賀直哉「清兵衛と瓢箪」はこれぞ元祖オタク小説といえる傑作。有島武郎「小さき者へ」は小さな子供への愛情あふれる傑作。2022/02/22