講談社+α文庫<br> 「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気

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講談社+α文庫
「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062817370
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0195

出版社内容情報

日本アニメの金字塔「宇宙戦艦ヤマト」誕生から40年、 事故死後7年を経て明らかにされるカリスマ・プロデューサーの破天荒な一生出渕裕(「宇宙戦艦ヤマト2199」総監督)、山崎貴(「SPACE BATTLESHIP ヤマト」監督)ら、ヤマトを見て育った名監督たちの新たな証言!
単行本未収録エピソードを満載した「完全版」文庫がついに出来

「ヤマトがあったから僕はアニメを見続けることができた」――庵野秀明(監督・プロデューサー、2008年・西崎義展との対談より)

日本アニメの金字塔「宇宙戦艦ヤマト」が誕生してから40年以上になる。生みの親であるプロデューサー西崎義展(1934ー2010)はすべてにおいて「特異な男」だった。交流をもった者は誰もが彼を「悪党」と評しながらも、そこには深い愛憎が見てとれる。いまや世界の文化である日本アニメを語るうえで無視することができない西崎義展の存在を、その大いなる成功と挫折から綿密に描く初の本格的ノンフィクション

「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー・西崎義展が、遊泳のため訪れていた小笠原・父島で船上から海へ転落。午後二時五八分、死亡が確認された―。
 平成二二(二〇一〇)年一一月七日、その夜半にもたらされた一報に首をかしげる関係者は少なくなかった。
「もしや西崎は消されたのではないか。あの男はそれだけの恨みを買っている」
 またたく間に、本気ともブラックジョークともつかぬ他殺説が世間に流布されていった。(「序章」より)

序章◎いつ消されてもおかしくない男
第一章◎アニメ村の一匹狼
図々しい奴/神様・手塚治虫の苦境/虫プロ再建のキーマン/「鉄腕アトム」が残したもの/カレンダービジネスの相棒/神様が激怒した理由/アニメプロデューサー・デビュー/気風の良さと抜け目のなさ/軍資金の蓄え方
第二章◎芝居とジャズと歌謡ショー
「親父が大嫌い」/軌道定まらず/ショービジネスに馴染む/創価学会と第一期オフィス・アカデミー/命がけの舞台公演/ヨーロッパ逃亡
第三章◎ヤマトは一日にして成らず
戦艦大和、宇宙へ/テレビ局攻防戦/常識破りの製作指揮/「たっぷり引きで見せろ」/苦戦の処女航海/角川春樹登場
第四章◎栄光は我にあり
賽は投げられた/ファンクラブが湧き出てきた/8・6歓喜の公開/「さらば宇宙戦艦ヤマト」で東映動画へ/バンダイの救世主/白熱の製作現場/「特攻」は最初に決めていた/歴史的ヒットの果実/広がりゆく波紋
第五章◎勝利者のジレンマ
生きるべきか死ぬべきか/長者番付と脱税/「ガンダム」の影/「宇宙空母ブルーノア」/「永遠に」とシーホース事件/ウエスト・ケープ・コーポレーション/背水の陣で臨んだ「完結編」/「オーディーン」の誤算
第六章◎砂上のビッグ・カンパニー
JAVN設立/カンヌの王様/銀座豪遊伝説/経営者の素顔/プライベート秘書/欲望の巣窟/愛人とアダルト商法/無駄遣いの才能
第七章◎破滅へのカウントダウン
七七億円の負債/海外資産と愛人・和子/JAVN倒産/権利トラブル/不意打ちの破産宣告
第八章◎獄中戦記
覚せい剤所持事件/海賊と銃火器/尖閣上陸の不手際/松本零士が提訴/ホームページと嘆願書/著作権裁判の背景/「復活篇」への道筋/刑務所暮らし
第九章◎復活する魂
戦闘準備/「復活篇」製作始動/「SPACE BATTLESHIPヤマト」/父・義展、息子・彰司/甦るヒーロー/小笠原に死す/ラスト・ステージ
終章◎さらば、ニシザキ


牧村 康正[マキムラ ヤスマサ]
著・文・その他

山田 哲久[ヤマダ テツヒサ]
著・文・その他

内容説明

日本アニメの金字塔「宇宙戦艦ヤマト」が誕生して40年。生みの親であるプロデューサー西崎義展(1934‐2010)はすべてにおいて「特異な男」だった。交流をもった者は誰もが彼を「悪党」と評しながらも、そこには深い愛憎が滲む。いまや世界の文化である日本アニメを語るうえで無視することができない西崎義展の大いなる成功と挫折を描く本格的ノンフィクション。

目次

序章 いつ消されてもおかしくない男
第1章 アニメ村の一匹狼
第2章 芝居とジャズと歌謡ショー
第3章 ヤマトは一日にして成らず
第4章 栄光は我にあり
第5章 勝利者のジレンマ
第6章 砂上のビッグ・カンパニー
第7章 破滅へのカウントダウン
第8章 獄中戦記
第9章 復活する魂
終章 さらば、ニシザキ

著者等紹介

牧村康正[マキムラヤスマサ]
1953年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業。竹書房入社後、漫画誌、実話誌、書籍編集、映像制作などを担当。映像作品では立川談志の初の落語映像作品を制作。また実話誌編集者として山口組などの裏社会を20年にわたり取材した。同社代表取締役社長を経て、フリージャーナリスト

山田哲久[ヤマダテツヒサ]
1949年、東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。1972年、東映生田スタジオに助監督として入社。1977年、オフィス・アカデミーに移り、西崎義展のアシスタントプロデューサーをつとめる。その後、サンライズを経て、1995年に独立しアストロビジョン設立、同社代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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33
当時を懐かしみながら読みました。私もヤマト世代ではあるが、「さらば」で感動しながらも完結したクチで、それ以降は興味を失いガンダムへ移行して行ったのを覚えています。当時の西崎氏のイメージは、ヤマトをしゃぶり尽くす様にして何度も映画化しながら、コアなファンから金を巻き上げていた商売人でだった。しかし、そのヤマトの制作の影で、アニメ、映画、テレビ、出版業界を一人の男がこんなにも掻き回していたことに驚いた。他人に迷惑をかけない生き方が正しいと思っていた自分にとって、西崎氏の生き方は到底マネしたくても出来ないなぁ。2018/01/28

kinnov

25
読書中ずっと爽快と嫌悪を感じる、生々しい男の話だった。60年代後半産まれの映画、アニメ好きには、西崎、角川、奥山、山本の4人のプロデューサの名前は忘れられない。私的ヤマトFCを作った私には特に西崎の存在は大きかった。いたる所で「愛」と語る胡散臭い山師。ヤマトを創った偉大な男。何よりもプロデューサと言う職業を憧れの仕事にした男だ。彼の偉業と醜悪で横暴な行動・欲望はコインの裏表だ。こんな彼(ら)でなければ、熱狂と桁外れの興奮とロマンを与えてくれる作品は創造できない。規格外の狂犬が、今再び現れる事を強く願う。2018/04/16

サーフ

20
この本で描かれる「西崎義展」という人物は一言で言えばまさに「悪人」である。しかし「悪人」であるが通読しても嫌悪感はあまり抱かなかった。その理由はやはり「宇宙戦艦ヤマト」に対する愛情・熱意がどこまでも真っ直ぐであり続けたからだろう。覚醒剤所持や武器所持など人としてやってはいけない過ちを犯しながらも手を差し伸べる人が居続けたのもこの本を読むと頷けるものがある。描かれる人生はとにかく破天荒で自分のやりたいことをやるだけやって好きな海で死んでいく。絶対に関わりたくないが男の生き様としては一つの完成形かも。2018/06/23

Katsuto Yoshinaga

13
解説で山崎貴氏が「ロマンを芯に抱えたガキ大将が、いつの間にか金や権力を手にして“スーパージャイアンな大人”になってしまったのでしょう」と書いている。本書を読み通すと、これが最も端的に西崎氏を評した言葉と感じる。幼少期にヤマトに触れて、それなりに面白がった記憶はあるものの、本書に登場するファンほどは熱狂しなかった。しかし、あらためて、「たっぷり引きで見せろと、必要もないのにロングショットで180度回頭を入れる」といった安彦良和氏も感心したエピソード等を読むと、このアニメの先進性を思い出す。(コメに続く)2021/04/11

ランフランコ

9
宇宙戦艦ヤマトは素晴らしい。原作者は松本零士だとばかり思っていたが紛れもなく西崎義展だ。しかし西崎はとんでもない男だ。決して関わりたくないタイプの男だ。いい人では結局は何事も成すことはできないのだろうか?2018/04/10

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