講談社+α文庫<br> ピストルと荊冠―“被差別”と“暴力”で大阪を背負った男・小西邦彦

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講談社+α文庫
ピストルと荊冠―“被差別”と“暴力”で大阪を背負った男・小西邦彦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062817103
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

出版社内容情報

部落解放運動の闘士は暴力団の構成員だった。小西邦彦、波乱万丈の生涯を描く“極道支部長”伝!部落解放運動の闘士は暴力団の構成員だった。二足のわらじをはき、莫大な富と権力を握った男、小西邦彦。晩年に「飛鳥会事件」で逮捕され失意のなか、2007年にこの世を去った。バブルの時代には1ヵ月に呑み代1000万円、その力は市行政、警察、税務署、財界にまで及び権勢をふるった。昭和44(1969)年、部落解放同盟の支部長につき、40年の長きにわたりその職にあったが、次第に人生の目的は福祉事業へと変わってゆき、特別養護老人ホームや保育園の経営に邁進する。それは解放運動の関係者による不祥事が続き、運動が退潮してゆく時期となぜか重なった。
人生の「貧富と清濁」を体現した男の波乱万丈、74年の生涯を描く本格評伝!

プロローグ
1975年5月8日、大阪市立飛鳥解放会館の開館式典で、小西邦彦が挨拶に立った。
第一章 支部長誕生
1969年、同和対策法が施行された年に、小西は部落解放同盟飛鳥支部長となり、活動家のスタートを切る。
第二章 ふたつの顔
1970年代、高揚する部落解放運動の中で小西は統率力を発揮し、解放同盟大阪府連幹部に抜擢される。一方、組から抜けるためとった行動とは――
第三章 銭の花
小西は”同対事業の申し子”だった。呑み代月1000万円といわれたバブル時代には、三和銀行と組み貸金業、不動産取引で荒稼ぎする。稼いだ金100億円は、何に使われたのか?
第四章 母の教え
1980年代に入り、運動に距離を置き始めた小西は、福祉活動に力を注ぐ。しかし、暴力団との関係は切れず、抗争の余波で命を狙われる。
第五章 ゆがんだ棺
小西への包囲網は狭まっていた。2006年5月8日逮捕。反撃すべく、控訴はしたものの、すでにそのとき強靭な肉体はガンに蝕まれていた。
エピローグ
人目に触れることがなかった”遺言ビデオ”で、小西本人があるメッセージを残していた。長女が語った父の思い出、ドン亡き後の被差別部落は――


角岡 伸彦[カドオカ ノブヒコ]
著・文・その他

内容説明

ヤクザと部落解放運動活動家の二足のわらじをはき、莫大な富と権力を握った男、小西邦彦。晩年に「飛鳥会事件」で逮捕され、失意のなか2007年にこの世を去った。バブルの時代には1ヵ月に呑み代1000万円、その力は市行政、警察、税務署、財界にまで及び権勢をふるった。1969年に部落解放同盟の支部長となり、40年の長きにわたりその職にあったが、次第に人生の目的は福祉事業へと変わり、特別養護老人ホームや保育園の経営に邁進する。それは解放運動の関係者による不祥事が続き、運動が退潮してゆく時期となぜか重なった。人生の「貧富と清濁」両極を生きた男の波乱万丈、74年の生涯を描く本格評伝!

目次

第1章 支部長誕生
第2章 ふたつの顔
第3章 銭の花
第4章 母の教え
第5章 ゆがんだ棺

著者等紹介

角岡伸彦[カドオカノブヒコ]
1963年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。神戸新聞記者などを経てフリーに。『カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀』(講談社)で第33回講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリータ

8
◆2012年単行本刊、2017年文庫本刊。小西邦彦のなしたことと人となりーいずれも毀誉褒貶ありーを本人へのインタビュー(2006年の逮捕後)や小西に近い人物(解放同盟や市の同和事業担当者、三和銀行の岡野義市、姪など)への取材をもとに描く。森功著とクロスする部分もあるが、こちらを先に読んでおく方が理解しやすいか。◆1969年の同対法施行前における大企連の結成、そして国税局との交渉によって関係者が得た税制上の優遇の数々(申告フリーパス、事業の不課税等)については他書でも言及があるが、信じられないような話。2021/06/02

こぺたろう

7
何かの具合でアマゾンのお薦めに本書が上がって来て、興味を持ち読了。主人公は部落解放同盟支部長の小西邦彦氏。富と権力が、活動過程の中で集まっていく様子が描かれています。全てが自由という訳ではないですが、ヒトやお金の使い方はまるで別世界。逮捕もされますが、一方で、自身の境遇からか、社会福祉に対する活動もされていたり。そういう意味では、魅力のある人物を取り上げた本だと思います。2018/07/22

JunTHR

6
めちゃくちゃ面白くて一気読み。著者による上原善広『路地の子』への徹底的な批判を読み、ならばとこちらも読んでみたが、これはすごい。なるほど、あの批判をするのも納得な取材力&事実関係の扱いの丁寧さ。2018/05/20

せい

4
本書はまさに、見る角度によって様々に表情を変える「文章で打ち立てられた銅像」。やっぱり角岡さんの人物評伝は面白いな〜!!生涯賃金100億円(?)、部落解放の活動家であると同時に暴力団関係者でもある、しかし子どもと老人には滅法優しいという「清濁合わせ呑む」の「清」と「濁」の奔流があまりにも濃ゆく激しすぎる人生を駆け抜けた小西邦彦という男の生き様。ネトフリでドラマ化してほしい。もし自分が彼と利害関係にある部署の大阪市職員だったら?前例踏襲の圧力や脅しに屈せず彼の不正を糾すことができたか?と自問していまう。2023/05/04

シヌイェ

3
人を見るときは多角的な視点を持て、ということと 現代のネット社会の、知らなくてもいい情報まで垂れ流され氾濫している怖さを改めて思い知った。2019/01/18

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