出版社内容情報
外山 滋比古[トヤマ シゲヒコ]
著・文・その他
内容説明
鋭い分析にユーモアを交えながら、世の中の思い込みを喝破する外山滋比古氏による、初の幸福論。幼くして母を亡くしたこと、受験の失敗、幾度かの転職など、著者自らの“マイナス経験”の効用も明かされる。90代の今まで尊敬しつづける俳人は、やわらかい心で一面的な常識にとらわれない幸福の達人である。その心得をはじめ、心にしみる数々の実例をもとに、幸不幸の常識を180度転換させる人間心理をきわめた一冊です。
目次
1 結果を見れば(前列人間と後列人間;「どうせ」の短慮 ほか)
2 失敗とはなにか(自信喪失;コンプレックス ほか)
3 一人前であるということ(つつ抜け;ことばづかい ほか)
4 ひとつの流儀(同じ釜の飯;試行錯誤 ほか)
著者等紹介
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年、愛知県に生まれる。評論家。専門の英文学のほか、言語論、修辞学、教育についての著作が多い。東京文理科大学英文科卒業。東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を経て、お茶の水女子大学名誉教授。文学博士。教職のかたわら、雑誌『英語青年』『英語文学世界』を編集(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mukimi
98
あまりにも有名な「思考の整理学」の著者による、若者へのメッセージ。「田舎の学問より京の昼寝」「聞き手の沈黙は話し手の雄弁に勝る」随所に興味深い故事成語あり。全体としては、逆境でこそ人間力は磨かれる。知識メタボに陥らず自分の頭で考えよ。そもそも 人間力ってなんだろう?ということは明日の朝考えよ。(思考は夜より朝にすべし。)2021/02/27
naji
19
何をもって良い人生かを推し量ることは非常に困難であるが、その受けとめ方・捉え方次第では、なかなか面白い人生が送れそうだぞっと思える一冊でした。2016/12/31
Eee
16
読めば読むほど耳が痛いというのが率直な感想です。これだけ長い間生を全うされてきた作者の経験に基づく生き方。皆それぞれ違うのであるから、レールに沿って歩む必要性もありませんし、咎められることもない。自身の経験から生まれる感覚や勘を大切にし、チャレンジするなり、退くなりを考える必要があると思いました。2016/10/05
u1
11
面白かったなぁ。すげぇ頭ええ人なんやろうなぁ、というのと、なんかイイお爺ちゃんやなぁ、という思いが入り混じった!自分のおじいちゃんは小さい時に亡くなったから、ほぼ記憶がないけど、こんなおじいちゃんがお近くにいたら、最高やろうなぁ。やっぱ戦前の人の話はとても沁みます。大変でも頑張ろうと思える、詩集のような本だった。外山先生の本は定期的に読みたくなる魔力がある。『多少の無理をしても、一日にすくなくとも一度は、家族が顔を合わせて食事をするように努力しなくてはいけない』➡️そうしよう!2021/04/30
アルカリオン
10
浜までは海女も蓑きる時雨かな▼留守中に訪ねてきて「風邪薬を買いに出かけたとはさすがの瓢水も命が惜しくなられたか」と言い捨てて立ち去った旅の僧に対して、瓢水はこの句を届けさせた。風邪をひいて薬を買いにいったが、別に命が惜しくなったわけではない。もういい年だが、いよいよとなるまでは、しっかり、美しく生きたい。どうせこの年だからといって病をほったらかしにしないで、治る努力をするのは恥ずかしいことではない。それを「浜までは海女も蓑きる時雨かな」の一句に托したのである。 位置No.129▼なんとも趣のある逸話だ。2021/05/12
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