講談社+α文庫
画文集 炭鉱(ヤマ)に生きる―地の底の人生記録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062816113
  • NDC分類 567.092
  • Cコード C0157

出版社内容情報

「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録記念刊行。明治・大正期の炭鉱の暮らしをリアルに描き上げた作品として世界記憶遺産登録。「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録記念刊行。明治・大正期の炭鉱の暮らしをリアルに描き上げた作品として、日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録。

「絵などといえるもんじゃござっせん。ヤマの下罪人のぶざまな一生の記録にすぎまっせん。ただ、炭鉱を知らん孫たちにかき残しておこうと思って」。

生涯の大半を炭鉱で働いた老炭鉱夫が60代半ばにして初めて絵筆をとり、誰も伝えてこなかった炭鉱の真実の記録を残した。その精細で色彩豊かな画は今も新鮮で、また綴られた文章は半世紀の時を超えて炭鉱に生きた人々の生活と慟哭を生々しく伝えている。日本の産業史を語る上で欠かせない偉大な業績!

山本 作兵衛[ヤマモト サクベエ]
著・文・その他

内容説明

生涯の大半を炭鉱で働いた老炭鉱夫が60代半ばにして初めて絵筆をとり、誰も伝えてこなかった炭鉱の真実の記録を残した。その精細で色彩豊かな画は今も新鮮で、また綴られた文章は半世紀の時を超えて炭鉱に生きた人々の生活と慟哭を生々しく伝えている。日本の産業史を語る上で欠かせない偉大な業績!

目次

1 ヤマの生活
2 ヤマの米騒動
3 ヤマの労働

著者等紹介

山本作兵衛[ヤマモトサクベエ]
明治25(1892)年福岡県嘉麻郡(現在の飯塚市)生まれ。7歳の頃から坑内に入り、以来五十余年、働くヤマが閉じられるまでひとすじに筑豊のヤマに生き抜いてきた。昭和33(1958)年頃から「ヤマの姿を記録して孫たちに残しておこう」と絵筆を握り、明治・大正・昭和三代のヤマの姿を丹念に描きはじめる。亡くなるまでに千枚を超す絵と6冊の大学ノートびっしりの貴重な記録を残した。昭和59(1984)年に逝去。その偉業が世界から賞賛され、平成23(2011)年5月、589点の絵画と108点の日記・ノートなどがユネスコの認定する「世界記憶遺産」に日本国内から初めて登録された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リキヨシオ

29
著者は7歳から50年以上炭鉱で働き続け、60歳を過ぎてから炭鉱での生活の記憶を残した貴重な記録である画文集。明治から昭和にかけて近代化する日本の繁栄に隠れた炭鉱内の風景は衝撃だった。信じられない位に劣悪な生活環境、命懸けで危険な労働環境…現代では考えられないすさまじい炭鉱の生活は人間本来のたくましさを感じるが、美化するのではなく過去の日本で実際に繰り広げられた風景でこの貴重な記録がこの先いつまでも残っていく事が大切だと思う。2017/04/26

lily

4
日本の殖産興業を支えた石炭産出に人生を捧げた坑夫の画文集。絵の訴求力は当然だが、切符制度に納屋暮らし、モンモンを背負う人間しか受け入れない環境など、マンガ『カイジ』に出てくる地下帝国さながらの強烈さ。その中にあり著者の山本作兵衛さんは、人としての矜持を保ち続けた。「絵などではありません。ぶざまな一生の記録にすぎまっせん。」学はないかもしれないが、智や理が人を高慢にし、地位や富が人を空疎にすることを知り尽くした方だったのだろう。2017/06/28

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

4
明治から大正、そして昭和に渡り筑豊の炭鉱を生き抜いた山元作兵衛氏が六十代半ばにして筆をとり、炭鉱での生活を書き残した貴重な資料をまとめた一冊。正直なところ、氏の絵はよく言えば純朴な絵柄であるが、なかなか記録として残らない労働者の視点からみた当時の人々の実情が赤裸々に描かれている。貧しく過酷な労働環境で生きる人々の姿には感動するが、決して望ましい事ではなく、そんな犠牲の上に成り立つ国や社会の繁栄がはたして肯定してよいのであろうか、という思いに沈む読後感。2015/10/27

toshokan-no-hito

3
「一生、貧乏続きでした。(中略)しかし、明日の米代がのうても、悔やんだことはありません。これ以上は働かれんほど働きとおしてきたのだから、それでなお米代もないとすれば、おれの責任ではのうて、外の責任だと思うておりました」(p49)……著者が激務と貧困に喘いでも生き抜いてきたのは、この覚悟があればこそだと思う。自分の責任などと理不尽をすべて引き受けてはいけない。それこそ権力者や資本家の思うツボだ。今こそ読まれるべき傑作。2015/10/12

野良コアラ

1
ルポルタージュでもないし、戦争によく見られるような体験譚の類とも少し違う、独特なノンフィクション。こういう、ふとすれば見過ごしてしまう生々しい生活風俗を伝える資料は、貴重ですね。ヤマに根付いていた色んな娯楽や、人々の互助制度が興味深かったです。2016/12/25

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