シルクロードと唐帝国

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  • サイズ B6判/ページ数 396p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062807050
  • NDC分類 209
  • Cコード C0322

内容説明

シルクロードとは、単なる「東西交易路」ではなく、突厥、ウイグル、チベットなど諸民族が入り乱れる激動の世界史の最前線だった。近年注目の「ソグド人」とは何者か。唐は漢民族の王朝なのか。中央ユーラシアの草原から、西洋中心史観と中華主義の克服を訴える。

目次

序章 本当の「自虐史観」とは何か
第1章 シルクロードと世界史
第2章 ソグド人の登場
第3章 唐の建国と突厥の興亡
第4章 唐代文化の西域趣味
第5章 奴隷売買文書を読む
第6章 突厥の復興
第7章 ウイグルの登場と安史の乱
第8章 ソグド=ネットワークの変質
終章 唐帝国のたそがれ

著者等紹介

森安孝夫[モリヤスタカオ]
1948年、福井県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院在学中に、フランス政府給費留学生としてパリ留学。大阪大学大学院文学研究科教授。博士(文学)。専門は仏教時代の中央アジア史など。『内陸アジア言語の研究』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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崩紫サロメ

21
一般書でありながら、研究史が一通り押さえてある。本書の力点はソグドネットワークであるが、ソグド研究の第一人者ペリオ、それを引き継ぐ羽田亨など知っておかなければならない名前が網羅してある(p.88)また、これから学んでいく人は間野英二のシルクロード批判にどう向きあうかを考えねばならないが、それについても丁寧に反論がなされている(p.80)歴史系の研究室に所属していない高校生や社会人にはこういった情報は案外得にくいものであろうから、このような形で整理されているのは良いことだと思う。2020/07/30

羊山羊

13
冒頭から西洋中心主義批判のお気持ち強めのお言葉が飛び出すので身構えていたら、中身はやや中国・唐寄りのユーラシア解説といった感じでちょっとホッとする。以前読んだ「シルクロード全史」とはまた観点が違って面白かった。ソグド人の事とか初めて知りました。2023/03/04

MUNEKAZ

13
読んでいてモンゴル史の杉山先生を思い出してしまったが、著者の気持ちや主張が先走りすぎていて胃もたれするのが正直なところ。内容としてはソグド人を狂言回しに、唐を「中華」ではなく中央アジアの遊牧世界の枠組みとらえようというもので、なかなか面白い。とくに唐・ウイグル・チベットの三国鼎立状況なんて、「覇権国家・世界帝国」といった唐のイメージを相対化し、あくまでユーラシアの一国家として再認識させるもの。本筋が興味深いだけに、もうちょっとスマートに色々書けなかったのかと思わされる。2020/02/17

ピオリーヌ

12
この興亡の世界史の中でもかなり意欲的な内容ということなので楽しみ。序章から杉山正明を彷彿とさせる西欧中心史観、中華主義思想からの脱却が語られ、筆者の意気込みを感じる。他丁寧に語られる中央ユーラシアへの解説、シルクロードをめぐる研究史の整理もわかり易い。東突厥、西突厥、吐蕃らへの説明が手厚い。663年に滅びたが、数世紀に渡って繁栄した吐谷渾王国は慕容吐谷渾(246〜317)が始祖だという。三国時代の慕容部についてもっと調べたい。2021/02/28

びっぐすとん

11
図書館本。同シリーズ「スキタイ・匈奴」の流れから読んでみた。中央アジアの歴史が分かりやすかったが、素人には学会内の派閥争いみたいなことは書かれても困惑するだけなので、著者とは見解の異なる論もある、くらいに留めて欲しかった。全体的に用語にこだわったりしてて、もう少し一般読者向けの配慮があれば良かった。シルクロード交易の要の割にあまり詳しく説明されている本を読んだ事がなかったソグド人について詳しく書かれていて良かった。言語や文化がなくなってしまうのは滅亡というより他文化との同化でゆるゆると起きるものなんだな。2017/11/21

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