21世紀仏教への旅 ブータン編

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062802055
  • NDC分類 182.258
  • Cコード C0036

出版社内容情報

チベット密教の王国を行く!
化身と輪廻転生を信じる人びとは死を恐れない。
標高3000mの山道の果てに見た幸福の姿とは?

「死」に対する考えが、ブータン人と日本人とでは大きくちがう。
ブータン人は「死」に対して、恐れということをあまり感じていないように見える。自分が死後、必ず別のものに生まれ変わると確信していれば、死ぬことを恐れることもないのだろう。死は次の生のはじまり、ともいえるのだ。――<本文より>

<ブータンに息づくチベット密教を訪ねた道のり>
パロ―ティンプー―ドチュ・ラ峠―ワンデュ・ポダン―ペレ・ラ峠―
トンサ―ヨトン・ラ峠―中央ブータン―プナカ―ティンプー―パロ

五木 寛之[イツキ ヒロユキ]
著・文・その他

内容説明

チベット密教の王国を行く!化身と輪廻転生を信じる人びとは死を恐れない。標高3000mの山道の果てに見た幸福の姿とは。

目次

第1章 風の国へ(ヒマラヤ山中の国;ブータンに呼ばれて;旅立つ前の、二つの目標;高山病の対処法;くねる山道と近代化;昼間の犬と夜の犬;異国のなつかしい風景;マツタケ三昧;開国による変化の波;環境と命を守る)
第2章 チベット密教の化身(密教への違和感;「第二の仏」;「化身」とはなにか?;化身への篤い信仰;法要と小鳥たち;化身の母の思い;寄宿生活の少年僧たち;かつての城郭、ゾン;マニ車の祈り;ある農家の仏壇;墓を持たない理由;高僧が語る慈悲)
第3章 ブータン仏教の幸福(ブータンと日本の関係;似ているようで対照的;日本が失ったもの;死の本質をめぐって;つながりから幸福へ;他力の広がり;「国民総幸福量」という考えかた)
第4章 日々の祈り(街のなかの祈り;なんのために祈るのか;ダルシンが朽ちても;最古の寺の風情;殺せない理由;生まれ変わりと農業;うしろ髪を引かれる思い;ブータンの未来のドラマ)

著者等紹介

五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年9月福岡県に生まれる。生後まもなく朝鮮に渡り47年にピョンヤンより引き揚げ、のち早稲田大学文学部露文科に学ぶ。その後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどをへて66年『さらばモスクワ愚連隊』で第6回小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、76年『青春の門 筑豊篇』ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。81年より一時休筆して京都の龍谷大学に学び、のち文壇に復帰。小説のみならず、仏教思想を背景とした音楽、美術、歴史など多岐にわたる文明批評的活動が注目されている。また、『日本人のこころ』(全6巻)などにより第50回菊池寛賞を受賞、英文版『TARIKI』はアメリカで2002年のブック・オブ・ザ・イヤー(スピリチュアル部門)に選ばれ、さらに2004年、第38回仏教伝道文化賞を授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Riopapa

6
ブータンという国には正直、興味がなかったし、行く機会もないと思うが、世界にはこういう国もあって、そこに暮らす人々もいるんだなあ。仏教が人々の幸せと結びついている感覚がいい。2018/05/19

Sanchai

4
国立ブータン研究所のダショー・カルマ所長との対談部分は秀逸。前半のブータン概況は相当部分を平山修一著『現代ブータンを知るための60章』の記述に頼っているので、デジャブ感が半端なかった。著者ご本人が実際に現地で体験された内容に基づく記述の方が圧倒的に説得力がある。2017/02/15

カツドン支持者

2
五木さんの仏教への旅。単調なブータン料理への不満やブータンの法要は荘厳さを感じない、呪術的でうさん臭さを感じたなど、正直におっしゃってるが面白い。一方でブータンの人々に根付いている全ての生命への平等心、目に見えないものへの敬意の深さに感服する五木さん。人々の日常の中に仏教が身近に存在し、動植物を含めた他との関係を尊ぶ意識がある、つまり仏教の重要な考え「縁起」が息づいているのだ。だからこそブータンの人々の祈りは自己のためではなく、他者の幸せを願うために行われる。他者への祈りは自己への祈りでもあるのだ。2018/06/10

tecchan

2
GNPより国民の幸福度や満足度を国是として追い求めるチベットの小国・ブータン。仏教の教えが人々の生活に根付いている国。死は次の生のはじまりと考え、輪廻思想を信じる国民。我が国における仏教とはだいぶ違うが、経済至上主義の20世紀、物資文明の行き詰りから、21世紀を考える大きなヒントを得られるのでは。2017/01/19

Go Extreme

1
一つの世界が存在する実感 経文を一回唱えたことになる風の馬 自然が織り上げた緑のタペストリー 見えないものへの願望や希求 国土の最低60パーセントを森林として維持 チベット仏教における「第二の仏」 自ら望んで人間世界に戻ってくる化身 規律正しい僧院生活 愛と慈悲と幸福で成り立つ人間生活 自分の体で痛みを想像する慈悲 一番大切なのは「個」ではなくて「関係」 すべてのものは互いに依存し合う縁起 法要を中心に回る生活 密教を思わせる極彩色の壁画 輪廻転生と生とし生けるものの平等 大地に続く命への実感2025/05/08

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