内容説明
「国家」に可能性はあるか!?独自の社会主義論、進化論、そして革命と改造…その思想の根幹を照射する。
目次
第1章 国体論批判と理想の国家(国体論と北一輝;明治憲法体制をめぐって;「純正社会主義」の目指すもの;道徳と科学主義;「神類」とは何者か)
第2章 理想の国家とは何か(進化論の意味するもの;実在する人格としての国家;有機体としての国家と精神;北一輝とプラトン)
第3章 北一輝と革命(北一輝と戦後改革;北一輝における天皇;平等はいかにして実現されるのか;絶対者をめぐって)
著者等紹介
嘉戸一将[カドカズマサ]
1970年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程中退。現在、相愛大学准教授。専攻は、法思想史、政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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manmachine
2
法学から読む北一輝思想。でもこの人の専門てルジャンドルとかのはずなので、佐々木某と対談とかしたらいいんじゃないかしら。2009/10/07
しく
1
北一輝の国家論の絶対者のありかを手掛かりに、同時代の国体論者や国家有機体説支持者の国家と主権者の位置付けを比較する事で、国家の正統性の構築の課題とその難しさが示されている2015/03/02
Myrmidon
1
北一輝って右翼と思ってたが、全然左翼なのね。基本的な思考方法や方向は完全に左翼のそれ。そこにトンデモオカルトを大さじ一杯入れるとできあがる感じか。個人的には北一輝の思想がほぼ富野由悠季のニュータイプ論なのが面白かった。トミノ御大が影響を受けたのか、こーゆータイプの思考のある種の到達点(袋小路)を示しているのか。2013/02/14
denz
0
北一輝の国家思想を、進化論的な科学主義と、天皇と国民が文字通り一体となる有機的な国家に準拠しているとし、その進化論はプラトンの理想国家にモデルを見出す特殊なものであった、と指摘する。そして、その行き着く先は、人類は起源のとしての「神」と同様な「神類」へと円環的に進化し、すべての人間は個ではなく、全体としての有機体と一体化した状態となる。これまであまり論じられてこなかったプラトンとの関わりを指摘したところが鋭く、また社会生物学の極致の状態を北に見出している。また北を中心とした国家思想史として勉強になる。2011/09/30
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