出版社内容情報
我が家の父は変人なのか? 勇者なのか?戦うことの本質を教える父と家族の絆を描く、傑作長編登場!父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島(いりおもてじま)に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆をユーモラスに描いた傑作長編。
第一部
第二部
奥田 英朗[オクダ ヒデオ]
著・文・その他
内容説明
父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか?それとも勇者?家族の絆、仲間の絆を描いた傑作長編。
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。『邪魔』が大藪春彦賞を受賞。また、2004年には『空中ブランコ』で直木賞を、2009年には『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
119
やっぱり面白かった。角川版で既読だからだろうか、長い(本が厚い)割にあっという間に読めてしまうので、考えようによっちゃ勿体ない一冊とも言える。2016/11/22
ゴンゾウ@新潮部
113
分厚さに怯んでいたが、奥田さんの構成力にぐいぐい引き込まれました。元学生運動の活動家の父親の行動が極端過ぎだったが、読み進めるうちにまともに思えてくる。もっとも実在していたたら大変なんだと思うが。こんな図太いおとなが居なくなったな。2019/02/23
はっせー
87
ドタバタ小説が好きな人や沖縄にルーツがある人におすすめの本になっている!いやー爽快感とドタバタ感がすごかった。例えるなら1日中ジェットコースターにのっている感じがする!話のないようは元活動家の父と母との間に生まれた二郎の物語。2部制になっており1部は中野 2部は西表島になっている。どちらかというと2部のほうが父の行動に考えがあることを知れるので面白いとおもう!夏になるとこうしたドタバタだけどどこか面白い本を読みたくなってしまう。皆さんにもぜひ読んでほしい本になっている!2023/08/12
yutaka
65
序盤は、一郎にけちょんけちょんにやられる、役人や教員側の視点に立ち、酷く非常識な主張に振り回されて、只々気の毒だと思ってた。 が、中盤辺りから視点が変わり、反体制側というか、上原一家に俄然肩入れしている自分に気付いて面白かった。2024/06/09
Sam
63
著者は犯罪小説しか読んだことがなかったが、本作は家族の絆をテーマにした一冊。一気に読み終えてとても清々しい気分になった。何といっても常識に一切与せず自由のために文字通り体を張って闘う父親がいい。主人公である小学六年生の息子はその父親の姿を目の当たりにしながら大人になっていく。「一人でも私腹を肥やそうとすると、政治経済が発生するの。誰もそんなこと思わなきゃ政治家も資本家もいらないの。お金がなくても、コンスタントに貧乏だと、ちゃんと人は幸せなんじゃないかなあ」という長姉のセリフに託した世界を見事に描き切った。2023/02/26