出版社内容情報
イタリア・ポジターノへの旅を最後に日出子と別れた良介。多感な年頃の子供たちや愛人の妊娠に戦く親友……。生きる歓びを問う長編。ボタンのかけ違いでもう会わないと決めた良介と日出子。親友の内海から愛人が妊娠したという相談を受け、ゴルフの師と仰ぐ大垣老人からは思いがけない過去を打ち明けられる。亡き妻に似てきた娘、登校拒否の息子、そして別れた二人の思いは? 人生における朝と夜、人間の幸福について問う傑作長編小説。
第六章 追 憶
第七章 砂時計
第八章 手 紙
第九章 火 花
第十章 雪の海
あとがき
宮本 輝[ミヤモト テル]
著・文・その他
内容説明
ボタンのかけ違いでもう会わないと決めた良介と日出子。親友の内海から愛人が妊娠したという相談を受け、ゴルフの師と仰ぐ大垣老人からは思いがけない過去を打ち明けられる。亡き妻に似てきた娘、登校拒否の息子、そして別れた二人の思いは?人生における朝と夜、人間の幸福について問う。
著者等紹介
宮本輝[ミヤモトテル]
1947年兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒。’77年『泥の河』で太宰治賞、’78年『螢川』で芥川賞、’87年『優駿』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。2004年『約束の冬』で芸術選奨文部科学大臣賞、’09年『骸骨ビルの庭』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワニニ
44
これは小説ではなく人生だ。そう思える。歓びも悲しみも、切なさ寂しさも不甲斐なさも、うれしさも微笑みも快楽も…。一人一人の人生に皆、詰まっているのであろう、そんな。その時々には悩んだり、苦しんだり、憤ったり、悲しんだり、刹那的だったり、はたまたどうしようもなかったり、でも愛だったりすることも、後から思えば人生を彩る1つの出来事、あるいはイマ在る自分に必要な通過点だった。様々な驚きや新鮮さ、感情と共に、それをしみじみと感じる作。宮本輝はやはり読ませる!ただ、妻の生命保険金で愛人と椀飯振舞の心境だけが解せない。2014/10/28
モーモー
3
図書館休館中で、家の小説を探索。 妻に先立たれた良介は、昔の恋人日出子と彼女の故郷で再開し、二人でイタリアに旅立つ。良介はケンカ別れした兄にあうため、日出子は障害をもった少年パウロを確かめるために。 悪い過去はすべてきえる。小説のところどころに含蓄のある言葉が散りばめられています。2020/05/16
viva
2
色々と悩む?考える主人公の中年男性に妙な親近感(憧れ?)を伴う小説。 これ、若い頃読んでもピンと来ないだろうな。生きる歓びか、当たり前にあることにどれだけ幸せと感じられるのか。たぶん日常に幸せが潜んでるのだと思える一冊。ってか45才でも恋愛楽しめるなんて・・・うらやましい(笑)2016/09/25
Teruyo Yamaguchi
2
朝は生、夜は死とすれば、「朝の歓び」とは、生きる歓びということだろうな。主人公と日出子の話、そして、大垣さんの話が入り混じる。イタリア半島と能登半島。半島にフォーカスした作品かな~。宮本さんの少し昔の本と言う感じがした。2015/07/19
ふる3
0
45歳良介、妻に先立たれ昔不倫関係に会った女性と再会する。その彼女との関係や息子の不登校、親友の愛人が妊娠、知り合いの老人の暗い過去等盛り沢山。やっぱり輝はいい。面白く、身につまされ、考えさせられ、そして癒される。2016/12/06