講談社文庫<br> ロカ

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講談社文庫
ロカ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062778626
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

急逝から10年。ついに文庫化!68歳になる小説家はギター片手に新宿にいた。著者自らが「近未来私小説」と銘打った、幻の絶筆作。長らく文庫化されたなかった、中島らも、最後の小説。
天才が予見した自らの未来は。

作家・小歩危ルカ、六十八歳。巨額の印税を得て以来、新宿のホテルで一人暮らし。相棒はWネックのギター「ロカ」。あとは酒と大麻と鮟鱇鍋。「IQが185もあると予知能力が備わる。だから私の予知したことは、ほぼ、九十六パーセント当たるんだ」。著者が急逝直前まで書いていた、問題の近未来の私小説。

もう、エンターテインメントはやめよう。
お楽しみはここまでだ。
これからは本当のことだけを言おう。
私という人間の「骨」の部分だけをさらけ出そう。

中島 らも[ナカジマ ラモ]
著・文・その他

内容説明

作家・小歩危ルカ、六十八歳。巨額の印税を得て以来、新宿のホテルで一人暮らし。相棒はWネックのギター「ロカ」。あとは酒と大麻と鮟鱇鍋。「IQが185もあると予知能力が備わる。だから私の予知したことはほぼ、九十六パーセント当たるんだ」。著者が急逝直前まで書いていた、問題の近未来の私小説。

著者等紹介

中島らも[ナカジマラモ]
1952年、兵庫県尼崎市に生まれる。大阪芸術大学放送学科を卒業。ミュージシャン。作家。『今夜、すべてのバーで』で第13回(平成4年)吉川英治文学新人賞を、『ガダラの豚』で第47回(平成6年)日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した。2004年7月26日、転落事故による脳挫傷などのため死去。享年52(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つねじろう

52
う〜んこれはねルール違反かな〜ってほど面白い。中島らもだから書けるし中島らもしか書けない。絶筆になったこととその最期も含めてルール違反。私小説にしてファンタジーとなるのは流石と云うか稀有。ジム・モリスンにバーボンソーダ。アル中でハッパからヘロインまでやりたい放題の68歳の不良爺い。19歳でバージンの息をのむ美人のアナウンサーに惚れてバラードを作る一方で、言葉狩りの世界やエセ宗教家をぶった斬る。博識でグルメ。ね、危険な魅力一杯の爺いでしょ。途中だけど完成している作品。ルカとロカ。カッコ良くて堪らない。2014/07/27

kazi

27
10年ぶりぐらいの再読。おそらく著者本人を投影していると思われる主人公の老作家・小歩危ルカは巨額の印税を得てホテルで独り暮らし。ある時、ふらりと入った楽器店でWネックのギター“ロカ”を手に入れたところから、主人公の内部に潜んでいたアナーキズムが加速し始めて、NHKの生放送でマリファナを吸いながら放送禁止用語満載の歌を歌うわ、19歳の女の子に懸想して香水を買うわ、滅茶苦茶なことをやり始めちゃって・・、みたいな話。私は著者のサービス精神全開の文章が大好きで昔から非常に耽読してきました。2021/06/06

TSUBASA

25
中島らもが死ぬ直前まで書いていた近未来私小説。若い頃はミュージシャンをやり、文筆活動にうつりつつも酒に狂い人を避け、老生に入った小歩危ルカは六弦+十二弦のツインネックギター「ロカ」を傍らに新宿を歩く。著者死去のため絶筆と言うのが悔しいが、彼の生き様や哲学をありったけつぎ込んだ小説だったのではないかと思う。ルカが生放送で放送禁止用語と連発して嗜められながらも悪びれず「言葉狩りが作品の質自体を変えてしまうんだ。」というシーンが強く共感した。古いロックに言及している所多数で、その辺が好きな人に薦めたい。2018/03/04

hope

20
“ロカ”とはギターに名付けた名前だ。二本のネックのそいつを抱えて新宿を徘徊する老作家が、年下の伝説のロックミュージシャンと意気投合してじゃれたり、孫ぐらいの年齢の女の子に恋をしてみたり。それでも60代は「失っていく年代」で、何かを獲得する季節ではない。 人間には皆役割があるのだ。役割を終え 2021/12/30

ちぇけら

16
「六十代は「失っていく年代」で、決して何かを獲得する季節ではない」だけどきみを愛している。きみを所有しようなんて思っちゃいない。性的なファンタジーにして偶像化してオナニーしようとも思っちゃいない。ただきみがいるというだけで充分なのさ。「♪鍵はおれが持ってるよ/OH,MY LITTLE PRISONER No.81/窓を開けてあげるから/ククッと笑って鳴いて/遠い空へはばたいていきたいな」らもさんはこの小説を、どう終わらせるつもりだったんだろう。それを考えることも、プレゼントみたいだ。2019/01/19

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