出版社内容情報
父親は自殺した娘の生まれ変わりをコンピューターにプログラムしたのか。それでは裕子の人間の記憶はいつのものなのか?実際に存在した裕子は十七年前すでに自殺していると安藤に告げる母。父は自殺した娘の生まれ変わりとして、コンピューターにプログラムしたのではないか? 安藤は脳科学を扱う父の研究所や、裕子の本当の母親の元を訪ね回る。錯綜する人間関係が暴かれる衝撃的結末は、凡百のミステリーの常識を破壊する。
本書は先行作品に対する敬意ある挑発である。――京極夏彦(ノベルス刊行時)
(第5回メフィスト賞受賞作)
浦賀 和宏[ウラガ カズヒロ]
著・文・その他
内容説明
実際に存在した「裕子」は十八年前すでに自殺していると安藤に告げる母。父は自殺した娘の生まれ変わりとして、コンピュータにプログラムしたのではないか?安藤は脳科学を扱う父の研究所や、裕子の本当の母親の元を訪ね回る。錯綜する人間関係が暴かれる衝撃的結末は、凡百のミステリの常識を破壊する。
著者等紹介
浦賀和宏[ウラガカズヒロ]
1978年生まれ。’98年、第5回メフィスト賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
311
単体で判断しづらい作品だということはわかっていたので、未解決の謎に関してのモヤモヤがなく読めた。そうするとまた、上巻が単調だった分、下巻になって動き出すストーリーが、実際以上にスピード感増したように感じる。ただし、ちょっと心理描写がくどい部分はある。そこが著者独特のクセの強さでもあり、読者を選ぶ理由の一つ。そのいわゆる”厨二臭”と”ジャンル不詳”な展開が個性。『時の鳥籠』を読んだ時にも感じた「その結末って、可能/不可能の前に論理的に破綻しないか?」という割り切れなさは二回目の読書でもスッキリしないまま。2018/06/29
セウテス
89
下巻〔再読〕 イッキに読めるしSF的な人間の脳のプログラムの問題など、興味を引かれる部分はある。しかし、主人公が「全てを知る」事には否定的であったり、人の存在する数だけ答えが在るという考え方は、私が求めるミステリには合わない様だ。理解は出来なくもないのだが、ハッキリとスッキリとしたい為にミステリを読んでいる身としては、読む価値が無いという事になる。結局の所、人は他人を理解出来ないと云いたいのか、良く解らないままである。ミステリとして、「そういう事か」と驚きや納得をしたい読者には、方向性の違う作品であろう。2018/10/09
ピップ
37
パソコンの中の女の子を好きになったり記憶の果てを見たりする話。一言じゃ説明できないし、ジャンルも固定できない。ミステリ、SF、青春…どのジャンルだとしても何か足りない気がする^^; 設定はおもしろかったけど、ラストはなんだか食い散らかした感じの読後感。いろいろと、一応解決したような、何も解決してないような。主人公が妙な開き直りしてるし、母ちゃん泣いてるし、友達とケンカしたままだし…この状態で続編どうなるの?すごく気になる(笑)2022/09/26
すたこ
32
★★うーん。最後まで、何が何だか…。読み進めるのが、とても苦痛でギブアップ寸前。なんとか読み終えたけど、上に引き続き場面転換が少なく、一場面が長い。くどい。そして、最後もどんでん返しと思いきや、全くスッキリせず。期待してただけに合わなくて残念!2017/03/23
みなみ
27
第5回メフィスト賞受賞作でデビュー作の下巻。裕子がパソコンの中のプログラムなのかそれとも人間の意識を有しているのか、直樹が様々な人と話すことで真相に近づいていく。ただ、父親や浅倉の心情が全く理解できなかったのは残念。特に、父親はなぜ自殺したのだろうか。2023/03/17