出版社内容情報
わけありの箪笥や刀剣、簪などを扱う皆塵堂で修行することになった太一郎。だが怖がりの彼には、古道具に憑いた幽霊が見えてしまう。浅草阿部川町の道具屋に長男坊として生まれた太一郎は、十歳になったところで父親に跡取りから外され、弟音次郎が店を継ぐことになる。太一郎は奉公先を盥回しされ、ようやく経師屋の職人で落ち着こうとしたころ、音次郎が病死し、急遽、実家に呼び戻された。道具屋の修行をやり直すには年を食いすぎている。父親が送り込んだのは、深川の皆塵堂という古道具屋だった。
そこはいわくありの品々をかき集め並べている店だった。店主の伊平次は、年中釣り人の格好をしている呑気そうな男だ。太一郎には、人に言えぬ秘密があった。それは、モノに憑いている幽霊が見えるということ。首吊りや夜逃げのあった家から家財道具を仕入れている皆塵堂では、瑪瑙の簪に憑いている女の幽霊、蒔絵櫛に憑いた呪いなど、なにか憑いているモノばかり。
幽霊と猫が苦手の太一郎には、難行苦行の修行が始まった。幼馴染みの呑み助の棒手振り巳之助や小僧の峰吉など、仲間とともに、摩訶不思議な出来事に巻き込まれていく。
そして、向島のなぜか猫が集まる屋敷を訪れ、ぼろぼろの着物を着た女の子の幽霊を見たとき、太一郎の封印されていた幼い日の記憶がよみがえる。それは?
輪渡 颯介[ワタリ ソウスケ]
著・文・その他
内容説明
奉公先を盥回しにされたあげく、弟の急死で実家を継ぐことになった太一郎。修業先は、深川の古道具屋皆塵堂。やる気なげな店主と、生意気な小僧。並んでいるのは、首吊りや夜逃げのあった家の曰くつきの古道具ばかり。太一郎には、幽霊が見えるという秘密があった。憑きものだらけの怪談人情ミステリー。
著者等紹介
輪渡颯介[ワタリソウスケ]
1972年東京生まれ。明治大学卒。『掘割で笑う女―浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、講談社ノベルスよりデビュー。怪談と本格ミステリを融合させた独特の世界に注目が集まっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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