講談社文庫<br> 迷子石

電子版価格
¥770
  • 電子版あり

講談社文庫
迷子石

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062777278
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



梶 よう子[カジ ヨウコ]
著・文・その他

内容説明

血が嫌いで人が苦手な見習い医師の孝之助は、長屋に引き篭もり、小遣い稼ぎに富山の薬の「おまけ絵」を描く毎日。そんなある日、父が幼馴染みの藩士に斬られた。孝之助は藩の存亡を揺るがす深刻なお家騒動が起きていることを知る。家老の陰謀を国許に伝えるには―孝之助は弱虫絵師ならではの奇策を思いついた!時代小説界に、史上最弱の新英雄、登場!

著者等紹介

梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ。フリーライターのかたわら小説執筆を開始し、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞大賞を受賞。’08年『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、同作で単行本デビューを果たす。多彩な活躍を見せる注目の時代小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きりこ

59
梶ようこさん「柿のへた」に次ぎ2作品目。過去のトラウマを引き摺り、部屋に引き篭もっている見習い医師孝之助。名医の誉れ高い父親のおまけのような立場に引け目を感じながら、売薬のおまけ絵を描いて医師というより絵師のような暮らしを続けている。背景には現実にあった富山藩の権力抗争や財政問題。あることをきっかけに孝之助も関わりを持つことになる。おまけの価値について説く惣吉たちが、孝之助だからこそ出来ることに気づかせてくれる。迷子石を標にするように、迷子医師が自分の道を見つけていくという成長物語、面白かったです。 2014/03/31

baba

41
富山藩にあった史実に基づき、見習い医師孝之助、山谷、順也の幼馴染が騒動に巻き込まれていく。人と接するより絵を描いていたい孝之助が騒動の中を迷子石(医師)の様に迷いながら自分の出来る事を手探り、己を偽ることなく進む様は、歯がゆいようでむしろ潔い。再読だが楽しめた。2016/08/27

のびすけ

31
見習い医者の羽坂孝之助は、藩医詰所にたまに顔を出すだけで、あとは好きな絵を描き、引きこもりのような毎日を過ごす。藩内で派閥対立が激化する中、孝之助は否が応にも争いに巻き込まれてしまう。幼馴染みとの友情と葛藤、父の死の真実、薬草を巡る謎、絹代との淡い恋の行方‥。物語にぐいぐいと引き込まれる。図らずも藩の命運を握ることになった孝之助。大殿との緊迫の対面に手に汗を握る。頼りなかった孝之助が修羅場を経験し、次第に成長していく姿に心を打たれた。梶よう子さんは頼りない草食系男子を描くのがとても上手い。感動しました!2021/03/07

タツ フカガワ

20
江戸詰めの羽坂孝之助は、血を見るのも人付き合いも苦手な医師見習いだが、余技の絵は玄人はだし。一方藩内は国元と江戸藩邸との抗争で死者が出るほど激化し、孝之助も否応なく巻き込まれていく。実際にあったお家騒動を背景にした孝之助の成長物語。梶さんには朝顔同心、御薬園同心など草食系キャラがいますが、孝之助はその上をいくようで、優柔不断さ、頼りなさなどそのキャラクターに歯がゆくなること度々でした。2018/07/10

おか

15
富山藩で実際にあった御家騒動(富田兵部一件)の史実に基づき 歴史には残らなかった人々のドラマを描く 梶さん特有の小説である。孝之助 山谷 そして順也の 同郷の幼馴染達の 其々の生き方が時代に翻弄されて行く。子供の頃には思いもかけない生き方となっていくが その中でも 順也の生き方は哀れとしか言い得ない。孝之助はと言えば 本当に迷子の医師(笑)のようだが 周囲の人達の置いてくれた標石によって 少しずつ 前に進んでいく。しかし 迷うということも 良いものだ。【積読→寄】2015/11/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7732473
  • ご注意事項

最近チェックした商品