出版社内容情報
高野 秀行[タカノ ヒデユキ]
著・文・その他
内容説明
まだ科学的に存在が確認されていない未知の動物をアジアの辺境で探す。いるのかいないのか、それは現地で調べてみなければわからない。ベトナムの猿人「フイハイ」、奄美大島の妖怪「ケンモン」、アフガニスタンの凶獣「ペシャクパラング」。読みだすと止まらなくなる驚きと笑いと発見のエンタメ・ノンフィクション!
目次
ベトナムの猿人「フイハイ」
奄美の妖怪「ケンモン」
アフガニスタンの凶獣「ペシャクパラング」
著者等紹介
高野秀行[タカノヒデユキ]
1966年東京都八王子市生まれ。早稲田大学探検部在籍中に『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)でデビュー以来、世界の辺境を舞台に執筆活動を続ける。2006年『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で第1回酒飲み書店員大賞、2013年『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)で第35回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
70
高野秀行さんの本は、ほとんど読んだつもりだったが、まだまだ未読作品があるんだな。こんなに超絶に面白い本を未読だったとは。高野さんの本の面白さって、細かいところを過剰に気にして、必要以上にこだわっていくところ。よく考えてみると、久住昌之氏の日常生活こだわり漫画やエッセイの描写を、海外を舞台にして、くりひろげている感じなのであった。2024/08/27
ゆいまある
66
用意周到な高野さんにしては珍しく、結構衝動的なUMA探しの旅3つ。こんなのいる訳無いだろ的な奴ではなく真面目に調査してるので、読んでるこちらもムー脳が活性化してしまい、「UFOってやっぱりいるんだな」と思ってしまう。しかし普通の人は思いつきで資料揃えて、アフガニスタンのカブールに行ったりしない。それもUMA探しに。そして陸路で国境越えて帰ってきたりもしない。UMAが狂犬病罹患生物ってのはかなり可能性高い気がする。2018/12/09
トムトム
51
謎の生物を探しに、まだ危険なアフガニスタンに行ってしまう。高野さん、すごいなぁ!仏教やキリスト教などの特定の宗教の人よりもアニミズム(精霊信仰)の人の方が優しいというのに、納得しました。アニミズムの人は功徳になる、お布施だから、天国に行けるから、いつか自分に返ってくるから、などの理由がなく優しい。「〇〇のために」優しくするのではなく、できるからするという何気なさ。私の周囲の科学と生き物が好きな人たちは、こういう人が多くて居心地が良い!2021/06/06
saga
46
短編、と言うべきか。ベトナム、奄美、アフガニスタンでのUMA探索が集積され、比較して読みながら楽しむ機会を与えてくれた。奄美のケンモンは『神に頼って走れ!』でその一端を読んでいたので、一粒で二度おいしいと言ったところか? 本書のカバーは、それを思うと笑ってしまう。9・11後のアフガニスタンと言えば命の危険が伴う場所だ。無事に帰国できたことは本書を読めば判るのだが、ホッとする。ペシャクパラングの考察もなかなか面白い。2015/12/04
ntahima
46
一言で要約すれば『平成版遠野物語』。著者のスタンスは文献主義者・柳田国男と幻視者・水木しげるの中間。前者なら現地まで出かけて自ら聞き取り調査をすることはなかったであろう。後者なら忽ち“未知との遭遇”を果たしていたかも知れない。一方の著者は思い立つやベトナム、奄美、アフガニスタンへと赴き、謎の未知動物の痕跡を求め現地人の間を飛び回る。冷静に考えれば実にバカバカしい。しかしそのバカバカしさが羨ましい。著者のような行動力はとてもないが故郷の山にツチノコやニホンオオカミを探しに行きたくなる。因みに生れは和歌山県。2014/06/14