講談社文庫<br> 雨心中

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講談社文庫
雨心中

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062775571
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

周也だけがたったひとつ、私のもの――姉弟のように育った身寄りない二人。男が罪を犯した時、向かう先は、幸福なのか。絶望なのか。周也だけがたったひとつ、私のもの――施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように身を寄せ合って生きてきた。仕事が続かない周也を見棄てずに常にあたたかく受け入れる芳子。芳子にはわかっていた。周也が自分が受け入れられないことを受け入れられない人間になったことを。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だということを。そして周也がある犯罪を犯したとき、芳子は二人でもう戻れない選択をする――幸福に向かっているのか。絶望に向かっているのか。
女の生き方を描き続けてきた直木賞作家の意欲作。

第一章 降り暮らす
第二章 闇に揺れる
第三章 夜を捨てる
第四章 風に眠る
第五章 波に惑う
第六章 時を祈る
第七章 空を射る
第八章 月を這う
最終章 降り暮れる


唯川 恵[ユイカワ ケイ]
著・文・その他

内容説明

施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきた。芳子にとって、周也はこの世で唯一「私のもの」といえる存在だ。周也は仕事が続かないが、芳子は優しく受け入れる。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だと芳子はわかっていた。そう、周也が「罪」を犯した時でさえ―。直木賞作家による究極の恋愛小説。

著者等紹介

唯川恵[ユイカワケイ]
1955年、石川県生まれ。金沢女子短期大学卒業。銀行勤務を経て、’84年「海色の午後」で第3回コバルト・ノベル大賞を受賞して作家デビュー。2001年『肩ごしの恋人』で第126回直木賞を、’08年『愛に似たもの』で第21回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kei

83
だからぁ、あかんあかん、と言いながら、最後まで一気読み。どこかでみたような通俗的展開でありながら、目が離せないおもしろさです。唯川恵さんは、著作もたくさんの人気作家さんですが、文庫になっている本は、やっぱり総体的に人を惹きつける魅力ある本だと、再認識いたしました。2024/03/26

ちょろこ

77
降り止まぬ雨、の一冊。まるでしとしと降り止まぬ雨、時には豪雨になるかのよう世界。読めば読むほど心まで濡れるように暗く淋しくなる、だから読み手は少しでも暖かな日差しを求めたくなる、そんな感覚に陥らせ一気に読ませていく物語。人が初めて得た愛をかけがえのないものとして大切にしたい感情、それを喪う怖さは理解はできる。ただ芳子は自己陶酔、自己満足しているだけとしか思えなかった。愛にも幸せにも定義はないけれど、最後まで自分には「究極の理解不能の怖い愛」の言葉しか思い浮かばなかった。2018/10/16

優希

62
辛いけれど、恋愛を超えた恋愛だと思いました。少しの幸せが向かうのは絶望でしかないのです。誰にも言えずに愛を育む不幸とでも言うべきでしょうか。運命には抗えないのが苦しかったです。着地点が幸せとも不幸せともとれるのが切ないところですね。2021/10/24

ナマアタタカイカタタタキキ

52
出会いと別れの繰り返しがただただ辛い。もちろん背中を向けたその冷えきった場所にだって、やがては花が咲くこともあるのだろうけれど、時の流れというのは常に私らを後ろから急かすので、ようやく振り返った時には、もう遠くなりすぎてよく見えなくなっている。愚かしい選択に対するもどかしさを、これを読んだ多くの人が感じるだろうけど、それでも想いというのは、誰にとっても容易には手離せない羅針儀なのだ。いやー、でもこんな弟、私なら呆れてどこかで見捨ててしまうだろうな。はは2019/03/03

らむり

47
切ない、でも面白かった〜。こういうお話好き。今まで読んだ唯川恵さん作品とは違う雰囲気でした。2013/09/10

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