講談社文庫<br> 嫁の遺言

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講談社文庫
嫁の遺言

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  • サイズ 文庫判/ページ数 310p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062775229
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

満員電車で自分の手に触れた冷たい手。それは、38歳で死んだ嫁の手だった。どうしても嫁が伝えたかったこととは?珠玉短編7編。

こんな話にいま出会いたかった――。期待を集める新進女性作家が贈る珠玉の七篇。

表題作の「嫁の遺言」を読んで“おもしろかなし”と声が出た。「おかえり、ボギー」を読んで今度は“かなしおもしろ”と思った。人生はこのふたつでしかり。見事な短編集である。――伊集院静氏

この短編集は、作家、加藤元の大いなる宣言だ。ちいさく、みみっちく、弱くてずるく、それでいてたくましい、人の姿と営みをあますところなく書いていくのだという、力強い宣言である。――角田光代氏

満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは、38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは――。
不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる全7篇を収録。

内容説明

満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは。表題作「嫁の遺言」の他、不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる注目女流作家の珠玉短編集。

著者等紹介

加藤元[カトウゲン]
1973年、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部中退。2009年、『山姫抄』(講談社文庫)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やも

90
あんなに大切だった毎日を過ごしていたのに、時は流れていつの間にか新しい日常が始まっている。けど、君のことを忘れたわけじゃない、忘れるわけないじゃないか。そんなことを感じる短編7話。若くして逝ってしまった嫁、少しの意地で別れてしまったはじめての恋人、結婚後に出会った新しい人生を一緒に歩みたかった人、自分似の男とデキ婚した娘、野垂れ死に寸前の姉のヒモ、親権を取れなかった娘、逮捕された幼馴染み…。語り口調で進んでいくのに、1番大切な想いが口に出せない。人を想う不器用さと尊さが愛おしい、大人のおとぎ話。★4.52022/08/11

おくちゃん🌹柳緑花紅

77
初の加藤元さん作品。心の奥がしみじみポウッと温かくなる短編が七つ。私のすぐそばにいそうな極々普通の人達。もう本当にバカなんだから!!もっと器用に!!なんて思いながらも、そのひとつひとつがなんともホロリとさせられる。「嫁の遺言」「いちばんめ」が特に好き。他の作品もどんどん読みたくなった。2014/11/22

あつひめ

74
加藤元さんの作品二冊目。この狭い日本の片隅で幸せと不幸せをギッタンバッコンしながら必死に生きている感が溢れていて、胸が熱くなったことも。世の中いい人ばかりではない。悪人ではなく、いい人ではない…って人もいる。でも、そんな人もどこかでいい行いをすることもある。人って、関わり方で印象も変わってくる。それが人間臭くて身近に感じられる。妖精のように生きることは私にはできないから、余計にこんな人たちの情がしみてくるのかもしれない。生きるって綺麗事だけじゃできないことだと思うから。2016/07/16

はつばあば

72
平成の作品であるのに、昭和の下町の雰囲気が溢れていて、今でもこんな人達がいるのだろうかと驚きの短編集。親子の情、男女の仲、地域への鬱屈とした気持ち。・・そういえば我が家の娘達も同じような気持ちがあるのかもしれない。一つ一つの作品が暖かい。貧しい故の人の温かさが心に響くのはレトロっぽいからノスタルジーを感じたのか。いやいやハードボイルド小説の合間に読むには最高の作品だった2017/08/07

papako

69
短編集。うーんほとんど流し読みになっちゃったなぁ。そっか、私は独白調のお話ってあんまり好きじゃないらしい。そんな中で『あの人への年賀状』は好きでした。おばさんの恋、切ない。作者さんは神奈川出身なのに、方言がすごく自然ですね。『いちばんめ』やり直しさせてあげたくなる。自分にはそんな記憶ないなぁ。残念。2020/05/09

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