講談社文庫<br> カント・アンジェリコ

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講談社文庫
カント・アンジェリコ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062774949
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

すでに電話網が張り巡らされてる18世紀のパリ。天使の歌声を持つ去勢歌手カストラートの甘く危険な謎をパリ・ルーヴル宮に追う。少年のまま透きとおった甘やかな天使の声、大人の声の力強さと声量、ソプラノの声域と超絶技巧。神聖さを体現する《去勢歌手》(カストラート)が奏でる天使の歌(カント・アンジェリコ)!
人を狂わせるカストラートの真実。甘く危険な謎をパリ・ルーヴル宮に追え!サイバー・バロックの刺激に満ちたサスペンス。

あなたにも天使たちの後光が輝いて見えるように、この舞台には電気の飾りものを用意しよう。彼らの声が聞こえるように電話を引いてもいい。ルーヴル宮には時代錯誤の建築部分にピラミッドのおまけもつけよう。天使たちを追い回すのは遊び人の教皇使節、国を失った王女、身分を隠した旅の隠居、電気屋の枢機卿(すうきけい)、ハッカー崩れのテロリスト等々でどうだろう――「序曲と前口上」より

序曲と前口上

第一幕 パリとルーヴル宮

プロローグ
第一場 ルーヴル宮のカフェM亭
第二場 R街の高級ホテルの一室
第三場 ミケーレのアリア
第四場 ルーヴル宮のモンタンジュ劇場 電話回線上、M亭その他
第五場 ミケーレのアリア
第六場 パリの繁華街 モンタンジュ劇場
第七場 モンタンジュ劇場
第八場 ミケーレのアリア
第九場 マリエッタの寝室 M亭

間奏曲

第二幕 ルーヴル宮

第一場 モンタンジュ劇場からコルサバードの中庭、方形宮へ
第二場 方形宮の一隅
第三場 方形宮の中庭からモンタンジュ劇場の舞台裏へ
第四場 モンタンジュ劇場から楽屋、方形宮諸アカデミーの部屋へ
第五場 王室蒐集品収蔵室
第六場 方形宮の小ギャルリー
第七場 大ギャルリー西端のフロール館
第八場 大ギャルリーから再びモンタンジュ劇場へ
第九場 モンタンジュ劇場

退場と閉幕


高野 史緒[タカノ フミオ]
著・文・その他

内容説明

バチカンから逃げたカストラートの謎を知った枢機卿は彼をパリに追い、変死する。天使の美声はなぜ危険なのか。著者が驚愕の想像力により創り出した世界のなかで、十八世紀パリは、鮮やかな照明の煌めきに彩られ、惨劇の幕は開く。物語の力で、歴史をも塗り替える、江戸川乱歩賞作家によるSF大賞候補の傑作。

著者等紹介

高野史緒[タカノフミオ]
1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』(新潮社)でデビュー。2012年『カラマーゾフの妹』(講談社)で第58回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

カナン

42
久々の挫折本。設定はいいはずなのに何故か異様に読みづらくて頭に入らず頁も先に進めず、ざっくりとした大まかなあらすじだけ確認して一旦寝かせて再びリベンジしたいところです。設定的には好みにばっちり合ってるはずなんだけどなー。同じ著者の「ムジナ・マキーナ」の方も積んでいるので、何とかしてチャンネルを合わせてのめり込むように読んでみたい。「サイバーパンクっていうかメタルじゃん!?」と思った最初の印象が果たして次頁を開いた時にどう変わるのか、自分の目で確認したい(笑)2022/01/19

skellig@topsy-turvy

22
サイバーパンキッシュな18世紀パリで、男でも女でもないカストラートの天使的歌声が電話回線を破滅へ追い込む?設定からして魅力的な物語の舞台はバロック全盛、街中で電飾が輝き回線を徘徊する「ハッカー」たちが生息するもう1つのパリ。無論、回線への脅威たるカストラートの謎を解き明かし、破滅を阻止する冒険が物語の中心ではあるのですが、カストラートの味わう栄光と衰退、尊敬と侮蔑といった明暗、語り手のオペラチックな口ぶりも味わいどころとして魅力的。2014/08/24

Lumi

18
文体が独特で複雑というか、何が起きてるのか理解するのが少し大変だったけど雰囲気は好きでした。 聞いた人が喜びでおかしくなるほどの美声、聞いてみたい。現代にカストラートがいないのは残念だなと思ったけど、自分が女だからそんなふうに思うのかな。 確かに性器切り取るのは残酷か。 カストラートのために作られた曲は今の人には歌えないらしいです。 カストラートの声、生で聞きたい。 比喩表現が素敵で、汚いようなことが綺麗に表されてるように感じました。2018/03/29

Miyako Hongo

15
18世紀フランスに電話があって、それをタダ掛けするハッカーがいるという設定のSF。ジャンル的にはスチームパンクだろうけど、方向性は野阿梓。ただしホモはいない。□確かにギーグやナードは喪男率高いけど、それと性的不能なカストラートが同類かと言われるとちと抵抗あり。モテないから技術オタになる、は男性には納得できる話なのか。それとデータ通信の前提がない世界ではハッカーに旨味はなさげ。□”道具”を持ってる寂しいカストラートの設定と、18世紀フランスのゴシックなイメージは個人的にグットタイミングの大アタリでした。2015/02/01

14
面白かったです。18世紀の、カストラートがいた時代に、電話や電飾があるという、とても華やかできらびやかな世界でした。目眩く、という言葉がぴったりなような。カストラートの歌声聴いてみたいなぁ。謎解きはよくわからずでしたが、装飾がほどこされている文章も素敵でした。2013/09/24

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