出版社内容情報
すでに電話網が張り巡らされてる18世紀のパリ。天使の歌声を持つ去勢歌手カストラートの甘く危険な謎をパリ・ルーヴル宮に追う。少年のまま透きとおった甘やかな天使の声、大人の声の力強さと声量、ソプラノの声域と超絶技巧。神聖さを体現する《去勢歌手》(カストラート)が奏でる天使の歌(カント・アンジェリコ)!
人を狂わせるカストラートの真実。甘く危険な謎をパリ・ルーヴル宮に追え!サイバー・バロックの刺激に満ちたサスペンス。
あなたにも天使たちの後光が輝いて見えるように、この舞台には電気の飾りものを用意しよう。彼らの声が聞こえるように電話を引いてもいい。ルーヴル宮には時代錯誤の建築部分にピラミッドのおまけもつけよう。天使たちを追い回すのは遊び人の教皇使節、国を失った王女、身分を隠した旅の隠居、電気屋の枢機卿(すうきけい)、ハッカー崩れのテロリスト等々でどうだろう――「序曲と前口上」より
序曲と前口上
第一幕 パリとルーヴル宮
プロローグ
第一場 ルーヴル宮のカフェM亭
第二場 R街の高級ホテルの一室
第三場 ミケーレのアリア
第四場 ルーヴル宮のモンタンジュ劇場 電話回線上、M亭その他
第五場 ミケーレのアリア
第六場 パリの繁華街 モンタンジュ劇場
第七場 モンタンジュ劇場
第八場 ミケーレのアリア
第九場 マリエッタの寝室 M亭
間奏曲
第二幕 ルーヴル宮
第一場 モンタンジュ劇場からコルサバードの中庭、方形宮へ
第二場 方形宮の一隅
第三場 方形宮の中庭からモンタンジュ劇場の舞台裏へ
第四場 モンタンジュ劇場から楽屋、方形宮諸アカデミーの部屋へ
第五場 王室蒐集品収蔵室
第六場 方形宮の小ギャルリー
第七場 大ギャルリー西端のフロール館
第八場 大ギャルリーから再びモンタンジュ劇場へ
第九場 モンタンジュ劇場
退場と閉幕
高野 史緒[タカノ フミオ]
著・文・その他
内容説明
バチカンから逃げたカストラートの謎を知った枢機卿は彼をパリに追い、変死する。天使の美声はなぜ危険なのか。著者が驚愕の想像力により創り出した世界のなかで、十八世紀パリは、鮮やかな照明の煌めきに彩られ、惨劇の幕は開く。物語の力で、歴史をも塗り替える、江戸川乱歩賞作家によるSF大賞候補の傑作。
著者等紹介
高野史緒[タカノフミオ]
1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』(新潮社)でデビュー。2012年『カラマーゾフの妹』(講談社)で第58回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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