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講談社文庫
天の方舟〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062773997
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

きれいごとでない「国際支援」の世界に飛び込んだ七波。出世街道をひた走る彼女に思わぬ悲劇が・・・・・!

きれいごとでない「国際支援」の世界に飛び込んだ七波。出世街道をひた走る彼女に思わぬ悲劇が・・・・・!

内容説明

名栗建設の贈賄担当者・宮里一樹と裏で繋がり、異例の大抜擢で開発ラッシュに沸くベトナム駐在所長に昇りつめた七波。金も名声も得て順風満帆の彼女を、思いがけない悲劇が襲う。この非道な自分はなぜ裁かれないのか―七波は20年にわたる自らの罪と対峙する。途上国援助のダークサイドを抉る傑作長編。

著者等紹介

服部真澄[ハットリマスミ]
1961年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒。’95年に刊行したデビュー作『龍の契り』が大きな話題となる。’97年『鷲の驕り』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

61
最後に罰が下るとはいえ、彼らの蜜月は実に長く、その対価にしては釣り合いが取れないのではないかとこの手の物語を読んでいつも思う。確かに彼らの今後にはきつい道のりが待ち受けているだろうが、それでも彼らは誰もが羨む生活を送れたのだ。実は得するのは悪の側なのではないか。真面目にやっている人間ほど馬鹿を見るのがこの世の中の構図ではないかと実に虚しさを感じてしまう。しかしこんな歪んだ社会の構図はいくら暴かれ、断罪されようとも新たな汚職の構図が描かれ、同様の巨額のリベートが動くシステムが気付かれていくことだろう。2015/03/08

レアル

53
賄賂を渡し、大きな仕事を掴み取る、そして自分の懐も肥やしと、入社してからどんどん出世していく七波。そんな中自分が手がけている橋が崩壊する大惨事が起こった。次第に自分のしてきた事への後悔と罪悪感に苛まれる七波。そして。。最後はもう少し展開があってもよかった気もするが、意外とあっさりと終わってしまったのが少し残念かな。2013/01/22

幹事検定1級

28
ベトナムでのODAによる建設中であった橋梁が手抜き工事により落橋してから、エンディングまでスリリングなストーリーでした。まさかの大ナマズ養殖事業や殺人事件など当初の経済小説から幅広い内容でした。他の作品も読んでみたくなる充実かつ完成度高い作品です2018/04/24

RIN

22
上巻では服部さんらしい問題提起型小説?と思ったが、下巻では方向転換。こんなに薄いのに何故2分冊?と怪訝に思ったがそれも効果的に働いて違和感なく下巻へ。経済事犯だと何となくスマートで、一種、知的なイメージになるが、これも結局は悪党たちのノワール小説だと思う。ここに描かれているような背任横領リベートって仕事してれば恐らく誰でもできるがほとんどの人はやらない。そこがモラルだったり人としての品格だったりするわけで、この小説を読んでODAの仕組みがこんなものだと思わないでほしいと痛切に願う。2014/10/20

Yunemo

15
好きな作家です。ただ本作品は良く解らないというのが実感。ダーティービジネスへののめり込み、金銭への強欲さ、前半の展開はそれである意味納得。ただ男との関係が気薄。もっともっと悪人面した「七波」にして欲しかったな。全体的に中途半端感を感じてしまう。何故、クライマックスをああいう展開にするの? 善人でもなく、悪人でもなく、それでいて安全策は取る、残すものは残す。そういう意味では、ちゃんと人間のエゴさを最後に提示してくれている。やはりこれでいいんだろうね!2012/11/19

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