出版社内容情報
名門私立中学で次々起きた殺人事件。犯人は自分の息子なのか?父の苦悩と中学生の生態が見事に描かれた、日本推理作家協会賞受賞作。学校という名の荒野を行く、恐るべき中学生群像。
名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々に惨殺された。その事件のきっかけとなったとされる「チョコレートゲーム」とは何なのか。犯人と目されたのは近内の息子、省吾。そして省吾も口を聞けぬ姿となり、真実を知るために近内は孤独な戦いに挑む。なぜ事件は起きたのか? なぜ息子は死んだのか? なぜ、息子の悩みを聞くことができないでいたのか――。
子を持つ親の苦悩と中学生の生態が見事に描かれたショッキングサスペンス。
伝説の作家・岡嶋二人による、日本推理作家協会賞受賞作。
電子書籍にて「岡嶋二人コンプリートボックス」も発売決定! ミステリ界の至宝・岡嶋二人ワールドは時代を超える。
岡嶋 二人[オカジマ フタリ]
著・文・その他
内容説明
名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々殺された。犯人とされたのは作家・近内の息子の省吾。なぜ事件は起きたのか?なぜ息子は何も言わなかったのか。そこに「チョコレートゲーム」という謎のゲームが浮かび上がる。中学生の生態と親の苦悩も見事に描かれた名作サスペンス。日本推理作家協会賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
161
何と言うか感想が書きにくいのだが、岡嶋二人の作品にしては面白くない。中学生の子供の始めた「チョコレートゲーム」の正体と、それ絡みの殺人の真相が徐々に明らかになるにつれて物語に対する興味は急速に萎んで行き、後半はただ苦痛でしかなかった。作品世界があまりに狭量であり物語に深みがない。真相を追う父親の姿があまりに気持ち悪いし、クライマックスの盛り上がりもない。日本推理作家協会賞受賞作ってこんな程度のものなのか。読後はただ虚無感に包まれ呆然としてしまい、これではいかんとすぐ次の物語を読み始めたのだった。2024/05/08
ちょこまーぶる
134
とっても面白く読めて、サクサクとページを捲れた一冊でした。読み終えた第一声が「中学生って怖っ」でした。そう思ってしまうほど、大人の闇社会の金銭ゲームが中学生の世界で横行してしまい、その結果殺人にまで発展していくという内容に、この年齢の子ども達が大人社会を冷めた眼で観察しているからこその事件なんだろうと思いましたね。しかも、僕にとっては親も子を守るために加担しているという悲しい内容も見逃すことができないポイントでした。自分の子を守るってどういう事なんでしょうかね?歪んでいるなぁ~と感じてしまいました。2017/09/21
やきいも
112
日本推理作家協会賞受賞作。初めて岡嶋二人の作品を読みました。中学校内で起こる連続殺人。その事件を解く鍵となる「チョコレートゲーム」とは何か?その正体を知った時はやはり驚いた。そして子供を思う父の心情も深く描かれていた。読みやすくわりと短時間で読めてしまうので、忙しいけど何かミステリーを読みたいという方にはいいかもしれません。2016/07/18
H!deking
102
【徳山さん追悼】随分前に読み友さんから頂いていたのにずっと積みっぱなしでしたが、この機会に読んでみました。昭和60年代に書かれた作品なのに古臭い感じもなく読みやすかったです。フーダニットやロジックも堪能しました。R.I.P2021/11/20
nobby
94
読み始めたら一気読みだった。『チョコレートゲーム』というタイトルは置いてきぼりな展開が続くも、息子の様子を心配する父親目線にすっかり引き込まれる。そのゲームの正体には意外さ満載だったが、その中毒性には説得力あり。でも実際に大金かけちゃったらねぇ…“ジャック”の使い方が秀逸。確かにラジカセが身近に見かけない現在、このトリックはピンとこない人も多いのかなぁ(笑)2014/11/12