講談社文庫
彼の女たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062772433
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

18年前に出会った一発屋ロッカー・J。彼に夢中になった女たちの今。超人気作家たちがリレーした奇跡のようなジョイント小説が実現

私たちは、確実に生きてきた――まりん、ノンコ、伊香、緑、マッキー。彼女たちがであったのは、18年前のライブハウス。ガーゼ・スキン・ノイローゼというバンドのボーカル、J(ジェイ)は、彼女たちの人生を変えた。人生が歪められるほどの強烈な出会いは、彼女たちになにを残したのか。
江國香織、角田光代、井上荒野、嶽本野ばら、唯野未歩子という超豪華メンバーが、それぞれの作風でありながら、一つの小説を生み出した奇跡のジョイント小説。
忘れたくても忘れられない、そして忘れたくもない、あの夏。自分の生や性を彼女たちはどう確認してきたのか。名手たちの鋭い言葉遣いを堪能してください。

江國香織、井上荒野、嶽本野ばら、角田光代、唯野未歩子。それぞれがひとりのミュージシャン「J(ジェイ)」と出会い、人生が変わった女性たちを描く。それぞれの作風でありながら、多面的な、でも確実に一人の男が浮かび上がるのは見事。現代を代表する人気作家たちが、打合せのもとに連作小説を作り上げた。

プリンセス・プリンセス(嶽本野ばら)    楽園(角田光代)    17歳(唯野未歩子)    All about you(井上荒野)    テンペスト(江國香織)

内容説明

忘れたくても忘れられない18年前のあの夏。女たちは、パンクバンド「ガーゼ・スキン・ノイローゼ」のボーカリスト、Jに出会い、人生が変わった。風俗嬢、太った女子高生、父を探す17歳、偽高校生、秘密を抱えるOL。復活ライブで明らかになる女たちの姿を、5人の作家が見事に描き出す。

著者等紹介

江國香織[エクニカオリ]
東京都生まれ。1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞、『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、『号泣する準備はできていた』で直木賞、『がらくた』で島清恋愛文学賞、『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞など受賞作多数

井上荒野[イノウエアレノ]
東京都生まれ。1989年『わたしのヌレエフ』でフェミナ賞、『潤一』で島清恋愛文学賞、『切羽へ』で直木賞、『そこへ行くな』で中央公論文芸賞受賞

角田光代[カクタミツヨ]
神奈川県生まれ。1990年『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。『対岸の彼女』で直木賞、『ロック母』で川端康成文学賞、『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、『ツリーハウス』で伊藤整文学賞など受賞作多数

嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府生まれ。2000年『ミシン』で小説家デビュー。『エミリー』『ロリヰタ。』で三島由紀夫賞候補

唯野未歩子[タダノミアコ]
東京都生まれ。1998年『フレンチドレッシング』で女優デビュー。映画監督デビュー作『三年身篭る』で高崎映画祭若手監督グランプリを受賞、同作で小説家デビューも果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

92
読友さんのお薦めで読みました。面白かったです。アンソロジーかと思いきや、1つのお話が5人の作家で紡ぎ上げられていました。ライブハウスで出会ったガーゼ・スキン・ノイローゼというパンクバンドのボーカルJと、彼と関わった女性たちの物語。全ての出会いが強烈で、女性たちの中に忘れられない思い出を残していきます。生と性をJと共に生ききった女性たちが格好良い。独立しているようできちんと物語として成立している奇跡の作品。面白かったです。2016/03/08

yumiko

57
幻のように消えたバンド「ガーゼ・スキン・ノイローゼ」。そのボーカリストJに翻弄された女たちの姿を描き出した、とっても豪華な顔ぶれのジョイント小説。あとがきを読むに、大まかな設定を決めた後は、ただ順番通り自由に書いていったらしい。それでこんな一体感のある連作になってしまうのだから作家って凄い!誰かを好きになったことで人生が変わってしまったり、また変えてしまったり…それはどんな小さな思い、片思いでさえも起こりうる。そこがきっと人生の妙味なんだろうな。Jはオダギリジョーで映像化希望・。♪*2016/10/03

ぶんこ

51
読み友さんの感想に惹かれて読みました。長い人生、一度もファンクラブに入ったことも、入りたいと思うアーティストにも巡り会えていないので、この本の主人公たちがある意味羨ましかったです。特に妻の座におさまった宣子の迷いのなさにただただ感服。ミュージシャンは大変。人気が衰え、小さなハコでしかライブが出来なくなっていき、そのうち一般の会社勤め。勤められればいい方かな。『推し』のいない私には、どの女性たちにも共感できなかったので、手放しに面白かったとは言えないのが辛い。最後の5人の作者の座談会が一番面白かったです。2023/06/14

90ac

38
五人の作家がロックシンガーJに関わる5人の女の子の話を順に繋いで書いた作品ということ。スタートの嶽本さんの女の子の設定が強烈。例によって洋服メーカーらしきアルファベットが並びますが全て読み飛ばして読んでも楽しめる作品です。続く四人のキャラクターもみんな個性的で、ファン倶楽部の女の子だけでなく全く無関係な子もJに関わっているというのも面白い作品たちです。また、それぞれの中で微妙に話が繋がっている所も楽しめます。巻末の座談会を読むと皆さん楽しんで書かれたということがよく分かります。2016/07/23

赤い肉球

34
アンソロジーとはまた違って、ひとつの物語を5人で作った作品。その手法に拍手。面白かった。初読み作家さんは唯野さんだけだったけど、各々の個性を出していたように思う。女たちの目線より、J本人の目線の話しも読みたくなった(因みにバンギャルな私です)。巻末の5人の対談が面白い。塀の中の話…とか(笑)2015/09/27

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