出版社内容情報
旧家に伝来する葬送儀礼と密室殺人!旧家に伝来する葬送儀礼と密室殺人! 幼いころ父に連れて行かれた百巳家。そこに無気味な空気を漂わす百蛇堂がある。私はそこで見たのだ。暗闇を這うそれを……。「作家三部作」第三編前編。
三津田 信三[ミツダ シンゾウ]
著・文・その他
内容説明
幼い頃、引き取られた百巳家で蛇神を祀る奇習と怪異の只中に“私”は過ごす。成長した“私”は訳あって再びその地を訪れる。開かずの離れ“百蛇堂”での葬送百儀礼で何が起こるのか?もうひとつの怪異長編『百蛇堂 怪談作家の語る話』へと繋がるホラー&ミステリ長編。著者の創る謎と怪異の世界。全面改稿版。
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
編集者を経て2001年『ホラー作家の棲む家』(講談社ノベルス、のち『忌館』と改題、講談社文庫)で作家デビュー。2010年『水魑の如き沈むもの』(原書房、のち講談社文庫)で第10回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobby
154
「長い長い男の話はいつまでも続いたー。」そのラスト一文のまま『百蛇堂』に繋がる実話怪談。幼い頃過ごした旧家での異様な日々。すうっ…。そこで目にするのは座敷牢に妖しき祠や御堂。はぁぁっ…。さらに蛇を思わせる鱗な痣に葬送百儀礼とは不気味過ぎ。ぜぇぇぇっ…。ついに驚愕する“あれ”の戦慄!…ざっ、ざっ。三十年を経て曖昧な記憶から辿る奇怪。…ずるっ。百々山・巳珠の藪など思い浮かんでは消える数々の事象。どんっ!そして繰り返す蛇棺葬。ぎぃぃぃ…。男は湯灌という御務め果たせるのか!?ばたんっ!「うわわわわぁぁぁぁぁっ!」2019/04/14
KAZOO
127
ミステリ作家シリーズ三部作の最後のもので、この本と「百蛇堂」で一つの作品となっている大掛かりなものです。この本はある人物の回想談が中心です。奈良県のある地域に旧家があり、そこに主人公と父親が帰ります。主人公の子供は5歳で実の母親は父親の妻ではありません。そこでの1年強の暮らしと30歳を過ぎて戻ってからの葬儀がかなり怖いものです。私はこのような土俗的な妖怪がらみの話が好きであっという間に読み終えました。2020/04/10
nuit@積読消化中
95
「長い長い男の話はいつまでも続いたー。」って、本当に長かった!いや、長いというか説明がクドイわりに中々すんなり頭に入ってこず…そしてモヤモヤのまま…でも、この世界観大好きです。しかし、姉妹編『百蛇堂』はもう少し間置いてから読もうかな。楳図かずおの「へび少女」が読みたくなった。そして、なぜか砂川君のおじいさんが煎餅を…のくだりは、ちびまる子ちゃんのおじいちゃんで妄想してしまったのは、ある意味怖さからの逃避願望の現れでしょうか(^^;)。2019/08/21
キムトモ
94
ようやく読了…筆者とは相性が悪いのか…何処かで読んだ風景だったし…どうも恐怖を感じないなぁ〜(ノ-_-)ノ~┻━┻それでも続きを読みます🐍🐍🐍🐍⚰2022/12/23
セウテス
84
作家三部作シリーズ第3弾上巻。敢えて上巻としたが、「百蛇堂」にて本作が作中作という位置づけである事から、その方が善いと思った。本作では謎は謎のままホラーであるのだが、下巻「百蛇堂」の謎解きの伏線にもなっている。語り手である私が、幼少期を過ごした旧家百巳家での恐怖の体験。30年後私は再び訪れ、時を越えて消失事件が繰り返される。三津田氏は気持ちの悪い恐怖という感覚を、食べ物などを使い表現するのがたいへん上手い。大げさな恐怖が在るわけではないのだが、気がつけば背中に何かが存在する気になる恐怖という感じ。下巻へ。2020/01/22