出版社内容情報
40年経ったからこそ見えてくる衝撃の真実総括の実態、私刑の経過。エリートの若者たちをあれほど残虐な革命に駆り立てたものとは? 刑期中の幹部の親友である著者が迫る彼らの息詰まる心理と人間模様!
内容説明
一九七二年、日本中を震撼させた連合赤軍。その幹部に吉野雅邦という男がいた。小・中学校の同級生で事件直前まで吉野と家族ぐるみで親交を深めていた著者が、事件後の往復書簡を含めてその心の遍歴を辿りながら、裁判記録や関係者からの聞き取りを重ねて、かつてないアプローチで「あの事件」に迫る。
目次
プロローグ 事件の光景
第1章 少年の日
第2章 全共闘運動激化
第3章 羽田空港突入
第4章 真岡猟銃強奪
第5章 印旛沼処刑
第6章 山岳ベース
著者等紹介
大泉康雄[オオイズミヤスオ]
1948年、東京都生まれ。中央大学法学部卒業後、小学館に入社。「週刊女性セブン」編集部を経て、「プチセブン」編集長、「週刊女性セブン」編集長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うずら
4
手紙、裁判記録、関係者からのヒアリングであさま山荘事件を明らかにしていく本。総括という名のリンチを正当化する理屈はもう支離滅裂。極限状態で人間はこんなにも理性を失っていってしまうのですね。辛いから下巻は少し間をおいてから読みます。2012/04/14
茶々太郎
3
商業誌の編集長をしていた著者であるだけに、冷静かつわかりやすい文章は関係書籍の中でも随一と言える。事件後の関係者、特に青砥・前澤の証言は他の書籍に見られなかったので貴重であり、事件の全景を描いたルポとしての価値は高いと思われる。下巻へ続く。2012/10/11
みち
2
犯人たちが、いまでいう"中二病"であることに驚いた。もちろん、社会意識の高さなど、いまの大学生よりも大人な面も多いが、理想と現実の落差に落ち込み、自殺願望を持つ点など、"中二"的な面も目につく。今の大学生よりもエリート意識が強く、自分への特別感を持ち続ける一方で、結局はサラリーマンになるしかない、という過渡期の意識が、そのようなアンバランスさになったのか。2014/10/28
Ikuto Nagura
2
なぜか2014年の初読書をこの本にしてしまった。山岳ベース事件の前半まで。2014/01/01
クーちゃん
2
いわゆる連合赤軍事件がどのような事柄だったのかが事件に関わった書簡、証言を中心に構成されている。特に著者の友人である吉野雅邦の生い立ちとかかわりがレポートされていた。 今の時代ならば20代そこそこの青年に、過激なまでの社会との接点を求めることは難しいのだろうと感じた。僕は一体20代のときに何をしていたのだろう? 社会的弱者が平気で切り捨てられていく世界の中で、何とかしたいと身を捨て運動に飛び込んでいった青年たちに、嫉妬を感じてしまう。2012/02/18