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講談社文庫
久生十蘭「従軍日記」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 522p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062770170
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

没後50年目発見! “小説の魔術師”の異名を持ち、今なお熱狂的なファンを持つ直木賞作家・久生十蘭が残した従軍日記を翻刻。没後50年目にして初めて明かされた「小説の魔術師」の素顔

変幻自在の文体と技巧で「小説の魔術師」の異名を取り、今なお“ジュウラニアン”と呼ばれる熱狂的なファンを持つ直木賞作家・久生十蘭(ひさおじゅうらん)。彼が海軍報道班員として南方に派遣された昭和十八年の日記が、没後五十年目に発見された。己の心情を吐露することを拒み続けた作家の素顔が見える従軍記。<解説・橋本治>

久生 十蘭[ヒサオ ジュウラン]
著・文・その他

内容説明

変幻自在の文体と技巧で「小説の魔術師」の異名を取り、今なお“ジュウラニアン”と呼ばれる熱狂的なファンを持つ直木賞作家・久生十蘭。彼が海軍報道班員として南方に派遣された昭和十八年の日記が、没後五十年目に発見された。己の心情を吐露することを拒み続けた作家の素顔が見える従軍記。

目次

第1章 日本・爪哇(自昭和十八年二月二十四日 至昭和十八年四月二十二日)
第2章 サランガン湖畔(自昭和十八年四月二十二日 至昭和十八年六月一日)
第3章 出発まで(自昭和十八年六月二日 至昭和十八年七月十二日)
第4章 チモール島クーパン警備隊(自昭和十八年七月十三日 至昭和十八年八月四日)
第5章 アンボン島第一砲台(自昭和十八年八月四日 至昭和十八年八月十二日)
第6章 ハロンの航空隊(自昭和十八年八月十三日 至昭和十八年八月二十日)
第7章 ニュウギニアにて(自昭和十八年八月二十日 至昭和十八年九月一日)
第8章 第九三四海軍航空隊(自昭和十八年九月一日 至昭和十八年九月九日)

著者等紹介

久生十蘭[ヒサオジュウラン]
作家。1902年、北海道に生まれる。本名・阿部正雄。1923年以降、新聞記者を務めながら地元紙誌に小説や戯曲などを発表。1928年に上京、岸田國士に師事し演劇に打ち込む。翌年からフランスに遊学し、1933年に帰国。以後『新青年』を中心に小説や翻訳などを発表。演劇分野でも活躍するが、次第に小説の比重を高めるとともに、作風や発表誌の幅を広げていく。1943年、海軍報道班員としてジャワなど現在のインドネシア共和国方面に派遣される。1952年、「鈴木主水」で第26回直木賞を受賞。1955年、「母子像」で『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』紙主催の第2回世界短篇小説コンクール第一席を獲得。1957年、食道がんで歿

小林真二[コバヤシシンジ]
1967年、長野県に生まれる。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科中退。北海道教育大学函館校人間地域科学課程准教授。専門は日本近現代文学。研究テーマは坂口安吾を中心に、笑いの文化から戦時下思想、ギャンブル文学まで広く扱う。近年は特に、大正期に函館中学校を中退した三人組、長谷川海太郎(谷譲次・牧逸馬・林不忘)、久生十蘭、水谷準の再評価と地元資料発掘に力を注ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

15
最も好きな作家・十蘭の従軍日記とて、胸を踊らせ読み進めてみれば、酒・麻雀・買春・酒・体調不良がうだうだ続く。無限に引き伸ばされたような倦怠の時間を追体験するという、なかなかにあれな本だ。小説の魔術師・十蘭は重度の虚無キャラかと感じさえするが、自分の心情をあまり吐露しないぺてん師であり、江戸っ子気質でさばさばした印象もある。こうした戦争もあるのか……と半ばを越えて爆撃が始まり、ようやく従軍日記らしさが出てくる。倦怠と緊張、一冊で二度美味しい本だ(無理やり擁護した感ありw)。2019/09/12

シンドバッド

9
自分が軽症の十蘭中毒者であることを自覚させられる一冊。後半の緊張感が当然のように高まる。解説者であり編集者でもある小林真二が言及している通り、よくぞ持ち帰ることができたと驚愕する。2015/12/29

Aminadab

6
面白い。ティモール島のクパン、アンボン島のアンボン、ニューギニアのカイナマ、ミミカなど、連合軍の空襲が絶えない前線へ行ってからがとくに読ませるが、前半、ジャワ島のスラバヤ、サランガンで自堕落に暮らしている様子もいい。日本の軍政と現地人(西洋人、華僑も)の生活がよくわかる。解説の橋本治氏も書いているが、生活人としての十蘭がびっくりするくらい普通の人なので驚くが、文章のうまさ、確かさは半端ではない。特にクパン。レーダーが二基あるようで、それを使った高射砲・機銃による防空戦(戦闘機は一機もない)は迫力あり。2019/09/24

 

2
 戦地の日常が描かれていて面白かった。南方の日本軍というと、物資の乏しい地で泥水に塗れた生活を送っているというイメージがあったが、この本を読む限りでは、料亭あり温泉あり慰安所もあり、酒に煙草にと、それなりに豊かな生活を送っているように思えた。久生十蘭は著名な作家出会ったということもあるだろうが、金回りの良さ?も戦前にしてはすごいなあと思った。高射砲陣地、対空砲火をする防空隊のところの、(多分なにも意図的改ざんのない)ありのままの描写は、自分にとっては貴重なものだった。  返却期限が今日なのでつらかった。2013/07/12

mirei_1988

1
なかなか…2012/11/27

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