講談社文庫
戦国無常 首獲り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 218p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062769976
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

万感胸に迫る戦国小説の雄編。大本命登場!戦場の武功の証は取った敵方の「首」によって決まる。下級武士たちの手柄を巡る争いはなんと儚いことか。修羅場の人間心理を描いた至芸。『戦国奇譚 首』改題。

内容説明

戦場の武功の証は獲った敵方の「首」によって決まる。下級武士たちの手柄を巡る争いは、なんと浅ましく、また儚いものか。運命はなぜこうも皮肉を好むのか。「頼まれ首」「もらい首」「拾い首」など、戦国時代の「首獲り」の明暗の中に、欲の頸木から逃れられない人間の悲喜劇をみた、万感胸に迫る名品全6編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とん大西

103
…何せ「首」です。戦場における功名。武勇の証。敗者は勝者に首を獲られ、勝者は敗者の首を獲る。理性吹き飛ぶ殺しあいの果て、最後の呼吸も終えぬうちに首を掻き切られ生を終える敗者。無惨、残酷です。その首を-盗む拾う奪う。理性も吹き飛べば誠意の欠片も亡くす。我欲の塊となった武者どもの浅ましさが何ともシュール。頼まれ首、雑兵首、拾い首。欲にかられ虎狼と化した輩達。我欲はやがて破滅を招く。何とも切ないながらも…滑稽ですらあります。名作6編、生々しい人間劇に何とも…シュールという曖昧模糊とした言葉がシックリきました。2018/09/25

のぶのぶ

28
「黎明に起つ」「城をひとつ」の末端の兵たちのアナザーストーリー。首をとる、本当にフェアに扱われている。首は、敵をやっつけた者の物。拾い首も、もらい首も駄目。相手との命のやり取りをして勝った代償である。取ったものに褒美が与えられる、昇進をする。ごまかしはいけないし、切腹を申し渡される。最後の短編の「拾い首」、親子でありながら、正直であれ、父の教えを守る子。それにしても、拾い首の相手を討ち取ったのは、、、。男と男の間・柄親密な間柄、でも、討った人がなくなり、もらった人も手柄にはならない首獲りのルールの厳しさ。2017/05/21

岡本

21
北条方の合戦での「首」をめぐる短編集。あとがきにある様に戦国時代における人間の致し方無い欲深さを表す逸話が多く、北条家の様に軍律がしっかりしていない他家では話の流れも違ったのかなと思ったりと想像も膨らみ、読み応えのある内容でした。著者の作品はこれで3冊目なのですが、どれも期待を裏切らない作品だったので他の作品も楽しみです。2015/10/03

ひ ろ

20
★★★☆☆ 獲った首は功名の証。その首を廻っての短編集。戦国モノには付き物の首獲りだが、目を背けてきた感がある。ストーリーとしては素晴らしいが残酷極まりない。当時としては当然なのだろうな。2019/07/01

hnzwd

20
戦国武士の敵の首を取るということに絡む人間ドラマ。平易な文章であるため読み易く、歴史背景はまったく必要ありません。首を取らなければ、という功名心と家を守りたいという気持ちが人間を狂わせるのか。興味深く読みました。2013/01/02

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