内容説明
七人のハナさんに共通していることは、みんなおばあさんであること。それも昔のおばあさんではなく、今もどこかで、それぞれの日々を生きているおばあさんであることです。そんなハナさんたちの日常のひとこまを、ささやかな童話に託してつづってみました。自分に似たハナさんもいれば、友人の誰かを思いださせるハナさんもいるでしょう。人生のひとこまを鮮かによみがえらせる極上の童話集。
著者等紹介
森山京［モリヤマミヤコ］
１９２９年、東京都生まれ。作品に『きいろいばけつ』他の「きつねのこ」シリーズ（路傍の石幼少年文学賞）、『あしたもよかった』（小学館文学賞）『まねやのオイラ旅ねこ道中』（野間児童文芸賞）『パンやのくまちゃん』（ひろすけ童話賞）など多数。あたたかな幼年童話、絵本で児童文学界の第一線で活躍中
山本容子［ヤマモトヨウコ］
銅版画家。１９５２年、埼玉県浦和市生まれ、大阪育ち。１９７８年京都市立芸術大学美術専攻課修了。抜群の構成力と印象的な色使いで、洒脱で洗練された雰囲気をもつ独自の銅版画の世界を確立。数多くの書籍の装幀、挿画を手がける。アクセサリーや食器、舞台衣装のデザインから、ＣＭ出演、ＣＤ制作まで幅広いメディアで活躍（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ぶんこ
41
ハナさんという同じ名前の七人のおばあさんのお話。 文章がとても綺麗で品がありました。 七人のおばあさん達の佇まいに、自らの粗雑さが恥ずかしくなったくらいです。 そういえば私の小学校の同窓会、一度も開催されてないのは、都心の学校だったから？ ちょっと淋しい。 心が豊かで、落ち着いた老後のおばあさん達なのでしょう。 お友達の大切さも感じました。2015/08/19
はる
38
ハナさんという同じ名前のおばあさんたちの童話集。どれもとても短くてささやか。日常の小さな出来事ですが、ほっこりとして良かったです。年齢を重ねたからこその優しさと余裕。静かで落ち着いた文章は童話という感じがしなくて、大人にこそ響きます。2015/06/16
mntmt
17
「もみじ」を歌うハナさんが好き。2020/01/13
遠い日
4
５０歳を迎えたとき、私はなんだか少し肩の荷が下りた。「いつの間に……」という驚きと、「ちょっとすごい……」という感慨と。残り時間はどれくらいあるかわからないけれど、もうこれからは自分を優先してやりたいことをやろうと思った。そして、ちょっとわくわくした。ここに登場する７人のハナさんたちは、今を生きるおばあさんたち。６０代７０代８０代と年はさまざまなれど、今日の日を生きて楽しんだり、考えたり、感じ入ったりしている人たち。生きてここに在るということはすごいこと。私しか生きられない私の人生だもの。2008/06/12
ともこ
2
7つのお話のそれぞれの主人公が「ハナさん」というおばあさん。詳しい年齢は書かれていないけれど、どのハナさんもそろってゆったりと丁寧に暮らしている。待てよ、「卒業して50年」などという記述から推し量るに、私の年齢とそう違わない。ハナさんたちのなんと達観したゆとりのあることか。「かわいいおばあさんになろう！」優しいお話を読んだあとに、そんな気持ちになった。眠りにつく前に読むのにおすすめの大人の童話。2016/11/05
