出版社内容情報
東野 圭吾[ヒガシノ ケイゴ]
著・文・その他
内容説明
何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。著者会心の新たな代表作。
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年、『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』(文春文庫)で第134回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
659
ずっと後回しにしていた一冊。唯一の誤算は妹の淡い恋心だった…とかいうあらすじに惹かれて読んでみたわけだが、物語の中では、厳密にいうとそれが理由で計画が狂ったりはしていない。むしろ妹さんはキッチリやりきろうとする。なので、あらすじから先入観を持って入ってしまうと「アレ、なんかちょっと違う」となってしまう。それ抜きで考えれば、プロットはしっかりしていて、犯人も意外ではあるけれど、兄弟のとった方法論自体が壮大な回り道にも思えてしまう。ラストのほんわかした感じはすごく好き。2019/08/20
ehirano1
403
帯を見ただけで「ああ、これは哀しいヤツ・・・」。「約束」のように胸が苦しくなる類いかと思いながらもそっと手に取って2~3ページ読んでしまうと、後はもう止まりませんでした。バイアスを上手く使った本作は妙作で、わかる人にはあっという間に犯人が分かってしまうと思いましたが、謎解きよりも小説ならではの「感情」を引っ張られまくって、犯人捜しどころではありませんでした。2024/10/12
あきら
391
冒頭から最後まで、一切置いてきぼりをさせない圧巻の展開でした。やはり評判通り、というか以上におもしろいなー。 本の分厚さと重さが、この物語に没頭できる幸せの予感を教えてくれました。 さすが、という感じです。2022/02/08
mura_ユル活動
349
3人の兄弟が自宅洋食屋から抜出し、夜中に星空を見に行くシーンから始まる。アニメチックな出だし。率直に感じた。その留守中に両親が何者かに殺害される。14年を経て、3人は詐欺を働いていたが、犯人らしき人を発見、警察に誘導する。意外な結末。長男功一が詐欺から計画を全面的に変更、その際に考えるべきことあるのでは、とレビューで突っ込もうとしたけれど、さすが東野さん、物語の中でさらっと言っていましたね。洋食屋、ハヤシライス、その隠し味。ギャンブル、兄弟愛。東野さんには珍しい京急沿線(横須賀)。長い長い小説でした。2017/06/07
ゆこ
344
兄妹の絆。改めて『絆』っていいものだと思った。文章もあっさりしていて読みやすい。とても600ページ以上読んだとは思えない。あまりに話が出来すぎていて、現実味がないといったらそこまでなのだが。中盤まではどんどん盛り上がりを見せたが、終わり方が個人的に好みではない。少し残念。しかし、ドラマよりもこちらの小説の方がシリアスな雰囲気漂わせていて、好き。犯人を知っていても気付くのが難しく、ドラマよりも早く読みたかった……。この兄妹3人の固い絆が切ない。『シー』には甘い兄達が素敵。こんなお兄さん欲しいなぁ♡2014/04/07