出版社内容情報
切り裂き魔は、誰?
身動きできない電車の中、息を潜める変質者。ぎゅう詰めが怖い、刃物が怖い。
満員電車の中、三十代の女性がナイフのようなもので切りつけられる事件が立て続けに起こった。探偵・鷹知祐一朗(たかちゆういちろう)から捜査協力の依頼を受けた小川(おがわ)と真鍋(まなべ)は、一見無関係と思われた被害者たち全員に共通する、ある事実を突き止める。その矢先に新たな事件が起こり、意外な展開を見せるが……。Xシリーズ第二弾!
プロローグ
第1章 不愉快な繰り返し
第2章 不連続な繰り返し
第3章 不条理な繰り返し
第4章 不用意な繰り返し
第5章 不思議な繰り返し
エピローグ
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
満員電車の中、三十代の女性がナイフのようなもので切りつけられる事件が立て続けに起こった。探偵・鷹知祐一朗から捜査協力の依頼を受けた小川と真鍋は、一見無関係と思われた被害者たち全員に共通する、ある事実を突き止める。その矢先に新たな事件が起こり、意外な展開を見せるが…。Xシリーズ第二弾。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。工学博士。某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
175
今回手掛ける事件は電車内で起きている連続切り裂き魔事件。今回気づいたのはこれまでのシリーズでは犀川や瀬在丸といった天才型探偵役がいたのに対し、このシリーズではいわゆる一般人が事件解決に挑む物語にした事。そのため小川と真鍋が事件捜査で覚える違和感やリアルさもこれまで以上に感じられた。そして小川自身が犯人に呼び出され自身が襲われてしまうことで素人が探偵紛いの捜査をすることの怖さをも描いている。正直もやっとした感じで終わるGシリーズよりも犯人が捕まり動機も含めて事件が解決するこのシリーズの方がまだ好感が持てる。2023/09/28
aoringo
90
満員電車で女性を狙った切り裂き魔が出没する。犯人は明らかになったけど、満員の電車内で誰にも気付かれずにどうやって?という謎は残ったような。最後まで読んでみてもミステリーとして推理する余地はあまりなく、それよりも二人の軽妙な会話を楽しむほうがいいみたい。2022/11/29
あや
78
【再読】Ⅹシリーズ第二作目。前作に比べると、アクションシーンもあるし、事件の真相もわかりやすいといえばわかりやすい。ただ、はじめて怖いと思った。あんまり森さんの作品では、事件や犯人に対して怖いなんて思わないしむしろ美しいと思うことがほとんどなんだけど。思い込みって恐ろしい。本人としてはそれが真実なんだもんな。自分の思う「ふつう」が本当に普通なのか、自分自身じゃわからないもの。何だかな。ところで、やっぱり真鍋君は頭が切れるようで、どこかずれてるところがやっぱり良いよな。2015/12/27
KAKAPO
71
所々に、哲学的な言葉が無造作に落ちているので、それを発見し拾い集める楽しみはあるものの、『キラレ×キラレ』は、森先生らしさの薄いありふれたミステリーだと思う。しかしながら、プロットにはオリジナリティが感じられるし、程よい緊張感とスピード感を伴って進行する物語が、とても読みやすく。初めて森先生の作品を読む読者は、いきなり『すべてがFになる』から始めるよりも、“Xシリーズから読んでみる。”というのも良いかもしれない。そういう意味では、口当たりがあまり良くない『イナイ×イナイ』と順序が逆だった方が良かったかも。2016/09/08
おたま
64
Xシリーズの第2作。首都圏のJRや私鉄の満員電車の中、女性がナイフのようなもので切り付けられる事件が連続して起こる。加害者と誤認された会社役員の川戸から、鷹知や小川、真鍋に、本当の犯人は誰なのか調査の依頼が寄せられる。調査を進めると、少しずつ人々の繋がりが見え始め・・・。このXシリーズ、やっと感じが掴めてきた。そう、これまでのシリーズのように「天才」やそれに近い人が出て来ない(ほんの少し出てくる)。そこで、普通の探偵小説のような感じになる。だからかな、普通に読める。が、何かこれからありそうな気もする。2023/08/20