出版社内容情報
近未来を舞台にした意欲作が待望の文庫化!
人同士が直接やりとりすることが少なくなった近未来の日本。あらゆる事象が監視の対象となった世界で突如起こった連続殺人事件に4人の少女が巻き込まれていく。
京極 夏彦[キョウゴク ナツヒコ]
著・文・その他
内容説明
「狼に―出合うって?」。忌避すべき事象の暗喩でしょう、と雛子は言った。近未来。少女・牧野葉月にとって携帯端末こそが世界の総てだった。何もかもが管理された無味無臭なはずの世界で、血生臭い連続殺人が少女たちを脅かす。行方不明の同級生。祐子に忍び寄る“狼”の影―。シリーズ第一弾、初の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
38
少年、少女の近未来、管理社会ゾッとする❗下巻で連続殺人犯は誰なのか、わかるかな〜、わかんね〜よな〜ハイ、全く私には分かりません❓2019/09/09
ジンベエ親分
35
コミック版を読んで面白かったので原作の方にも手を出してみた。近未来の超管理社会を舞台に少女たちの闘いを描いているわけだが、登場人物の紹介とかパーソナリティの描写とか、コミックの方が巧いな。上下巻に分かれた長大なテキスト量なのに、登場人物による禅問答が長すぎて話のテンポが良くない。なので矢部祐子のような重要人物が、出てきて感情移入する間もなく殺されたりしてる。テンポが良くない割には話の展開は早く、上巻の終わりで3巻組のコミックの2巻の終わりまで来てる。うーむここからどう繋ぐのか、下巻に進む。2022/02/27
ソラ
34
久しぶりの再読。だけれどもすっかり内容を忘れてしまっていたので初見と同じかな。展開は緩やかでどんなふうになるのかなぁとか思いながらゆるゆると読了。京極堂に出てくる榎木津探偵や、木場刑事を思わせる登場人物がいるなぁ2016/01/24
ケイ
34
京極さんのテイストとは違うような。少女ばかりが主人公だからか。題名が示すような奇々怪々さより近未来の無機質感が漂うが、京極さんの手によるものだからか行き過ぎた情報社会の冷たさはあまり伝わってこない。下巻はどう収束していくのだろうか。2013/12/17
ぷーちゃん
33
世界はリアルじゃない。見えてる世界も人と繋がることも、食べ物も…。色もない、匂いもない、味もない無味無臭の世界。それが世界のすべて…。だから私たちは携帯端末に閉じこもる。それがすべてを与えてくれるから。匂いがあるのは苦手だ。人とつながるのも苦手だ。だから私は何も望まない。携帯端末の外は不安なことばかりだ。けれども一人の少女が私を外へと連れ出した。今まではそんなことはなかったのに。話しかけられることもなかったのに…。そこから今まで起きなかった非日常が始まった…。2013/03/16