出版社内容情報
「あの男を捕まえられるのは、親分しかいないと思います」。
十手を返上、岡っ引きから足を洗って10年。「泣きの銀次」が江戸の町を再び走り回る!
十手と鑑札を返上し、岡っ引きから足を洗って10年。「泣きの銀次」も来年には不惑を迎えようとしていた。小間物問屋の主(あるじ)として細々と暮らしていたある日、銀次は監禁されていた娘を助ける。実は近頃、娘のかどわかしが頻発しているという。「下手人を捕らえるため手を貸して欲しい」と言われた銀次は・・・
宇江佐 真理[ウエザ マリ]
著・文・その他
内容説明
十手と鑑札を返上し、岡っ引きから足を洗って十年。「泣きの銀次」も来年には不惑を迎えようとしていた。小間物問屋の主として細々と暮らしていたある日、銀次は監禁されていた娘を助ける。実は近頃、娘のかどわかしが頻発しているという。「下手人を捕らえるため手を貸して欲しい」と言われた銀次は―。
著者等紹介
宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年函館生まれ。函館大谷女子短大卒。1995年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞。2000年、『深川恋物語』(集英社文庫)で吉川英治文学新人賞受賞。2001年、『余寒の雪』(文春文庫)で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
95
前作から10年ぶりに執筆されたシリーズ2作目。お話も、10年の月日が過ぎたところから始まります。その間に、銀次の店は大店から小体な店になってしまい、十手も返上してしまっています。子も4人授かっています。そんな銀次に再び十手を握らせることになった猟奇的な事件は、なんともおぞましいものです。それでも、不惑となった銀次が下手人を追う姿には若い頃にはなかった大人の味も感じられて、新しい銀次に魅せられてしまいます。捕り物の醍醐味を味わえるシリーズ2作目でした。また、子供を可愛いがる銀次につい微笑んでしまいます。2022/06/27
じいじ
87
十手を返上してから早十年、二度の江戸大火で大店も財産も失ったが、今は好くできた恋女房と8歳を頭に四人の子たちに恵まれて、銀次一家は苦しいながらも万々歳です。或る日、そんな銀次に再度の十手の…誘いが。女房のお芳は「泣き虫なおまえさんには、岡っ引きは向いてない…」という。しかし、折から江戸の娘達を次々に〈かどわかす〉悪党退治に、情には弱い銀次は黙っていられません……。やっぱり宇江佐さんの人情物語にハズレはありませんでした。思いっきり笑って、しんみりと泣かせてもらいました。2022/12/06
ふじさん
86
泣きの銀次シリーズの第二作。前作から十年後の銀次。岡っ引きをやめ、二度の火事で坂本屋の身代は小さくなったものの、お芳との間に生まれた一男三女の子どもと幸せな日々を過ごしていた。商売途中に、連続殺人犯に監禁されていた娘を助けたこときっかけに、再び岡っ引きになり、連続殺人犯を掴めるべく大変な日々が始まり、多くの犠牲を払いながらなんとか最後には下手人を捕らえる。銀次の潔い生き方や取り巻きの人々との心の繋がりに、サイコサスペンス性の要素も加わり読みどころいっぱいの作品。やはり何度読み返しても面白い。 2025/04/29
kei302
60
伊三次も好きだけど、泣きの銀次もいいなあ。作品全体に漂う気配も好み。あれから十年、40歳の銀次。いろいろあったようですが、変わらずに支えてくれる人がいる。哀愁に満ちたラストの晩鐘の音が胸に響いた。2022/05/01
shizuka
59
第一作よりぐっと面白くなっていた。銀次がすごいいいお父ちゃんになっててびっくり。優しくて強くて家族思いで最高。子供たちもこんなお父ちゃんの背中見てたら、嫌でもまっつぐ育っていくだろうな。お芳の小言もきちんと弁えられているし。理想の夫婦だ。さて事件はまたしても鬼畜な野郎が下手人。銀次はモンスターばかり相手にしてて、楽じゃない岡っ引きだよ。しかも次女が事件に巻き込まれるとか。ほんとハラハラした。心の臓にいけないよ。けれどだからこそ、読む手が止まらず一気に読破。ザ・エンターテイメント。次作はどうなる?!期待大!2016/12/26