出版社内容情報
西尾 維新[ニシオ イシン]
著・文・その他
内容説明
夢も希望もない世の中だって?なければ作ればいいだけじゃないか―無理だの不可能だのってのは、実はただの御託だったりするんだよ。まずは手を伸ばしてみるところから始めてみればいいじゃねえか。案外それは、あっさり届いちまうかもしれないぜ(『ダブルダウン勘繰郎』)。一回盗みに入るたびに三人殺す。そう、私こそは三重殺の案山子。夢と希望の化身。私は誰にも捕まらない、私に盗めないものはない、私に殺せない人間はいない。私は道理に満ちていて、私は可能性に満ちている。ゆえに欲しいものは必ず手に入れる(『トリプルプレイ助悪郎』)。
著者等紹介
西尾維新[ニシオイシン]
1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞、「京都の二十歳」としてデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
86
JDCを知らずに読みましたが、何の問題もありませんでした。トリビュート作品ということで、他の人の作品がベースになっているようですが、しっかりと独自の作品に仕上げてしまうのはさすがです。叙述トリックと西尾維新ワールドにどっぷり浸かる楽しみを味わいました。2018/01/29
ぺぱごじら
36
清涼院流水さんが繰り広げる『JDC(日本探偵倶楽部)』世界観へのトリビュート作品。一篇づつだと短いんだよなぁと購入を見送っていたら、二篇纏めて一冊で文庫化。有り難い(笑)。生憎清涼院さんの作品は未読なのですが、この世界観は面白そうで、清涼院さんの作品に興味が湧きます。他人の世界観を拝借しての西尾節は、それでも冴えたもので、十分楽しませて貰いました。ぼくとしては、キャラなら勘繰郎、お話だったら助悪郎ですね。ただ、叙述トリック隆盛の風潮について皮肉ったような作品群にも感じられるのは、ぼくの勘繰りでしょうか?2011/04/16
いりあ
22
西尾維新が清涼院流水の作品に登場するJDC(日本探偵倶楽部)の設定を借りて執筆されたJDCトリビュートの作品。新書版では2冊に分かれていましたが、文庫版は1冊にまとまっていています。ちなみに、オリジナルのJDCシリーズを読んでいる必要はありません。安心して下さい。これだけできちんと完結しています。一応、叙述トリックな感じだし、ジャンルは推理小説なのかな?意味もなく人が死ぬのはあまり好きではないですが、個人的には"トリプルプレイ助悪郎"のほうが面白かったと思います。2014/10/07
更紗
18
ダブルダウンもトリプルプレイも○○を使ったトリック。文章がクドイかな〜、と思いつつもかなり面白く読めました。勘繰郎の生き方がとてもかっこよくて憧れます。2014/05/26
りんご
17
『ダブルダウン勘九郎』は勘九郎の破天荒っぷりが存分に楽しめた。「なあ、他人に何を期待しているんだ?期待ってのは、自分にするものだろうが」という言葉が心に響いた。勘九郎は最後まで何をしても格好良かった。終わり方も爽やか。一転して『トリプルプレイ助悪郎』の後味の悪さ。ただ後味は悪いけど、伏線だらけで推理小説として完成度が高い。登場人物達の、あまりにも邪悪だが自分自身のスタイルを貫く生き方は凄いと思った。どちらもミステリーにでてくる探偵を皮肉っているところが、面白い。2020/05/26
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