内容説明
旅先で買った一本百円のビデオは「鋸」というタイトルだった…(「百円のビデオ」)。ひとり息子の誕生日、ケーキを買って家路を急ぐ男は分かれ道の前で迷っていた。近い方の道には、悲しく辛い思い出があり、できれば通りたくないからだった…(「子取沼」)。よりぬきの“こわい話”五十七編収録。
著者等紹介
常光徹[ツネミツトオル]
1948年、高知県に生まれる。各地の昔話や伝説・俗信を調査、研究。国立歴史民俗博物館教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シャル
6
学校の怪談とあるが、基本的には学校にこだわらず百物語として様々なおかしな話の掌編を収録した一冊。後半五十話である。どこかで聞いたことのあるような話もあれば、怪談というよりはただの勘違いのような話、果てはただのダジャレまであって(なーにが呪いの胃腸だ!)、そのバリエーションの豊富さや個々の話のムラも含めて、まさに集められた話集の趣があって興味深い。それぞれの話が短いこともあって怖さはあまり感じることはないが、だからこそ投げっぱなしでオチがつかないまま恐怖に追いつかれて終わってしまう物もあったりして面白い。2016/02/05
三柴ゆよし
2
著者の常光先生にいただきました。小学生の頃、「学校の怪談」シリーズ(講談社KK文庫)の熱心なファンだった。考えてみれば、そのシリーズの著者が常光先生だったわけで、いま先生に教えを請うている身としてはなんだか不思議な気分だ。それにしても、「百円のビデオ」はコルタサルの「続いている公園」だよなあ。これ、結構よく聞く話で、平山夢明あたりもネタにしていた気がする。なにか出典はあるのかしら。虚構(あるいは夢)に侵犯される現実というテーマを扱った怪談は無論これだけではない。面白い研究テーマになりそうな気もする2009/09/25
K
1
猛暑に良き2024/08/05
猪子
1
こちらの本にも載っていましたが、赤い目の人とのぞき穴を通して目が合っている状態で「あ、部屋が赤いんだな」と思う気持ちがよくわからない。昔から釈然としない。2013/12/09
雨巫女
1
昔話と違って、身近に感じて怖かった。2010/02/25